【保存版】タンタルの用途|切削加工の注意点ポイントも解説
- 「タンタルの用途が知りたい!」
- 「タンタルの切削加工の注意点ポイントが知りたい!」
このような悩みを解決できる記事となっています。
ご紹介する「タンタルの用途」を読むと、どの場面にどう使われているかが具体的にわかります。
まずは「タンタルの概要」をまとめていますので、ぜひ読み進めてみてください!
この記事の監修者

藤原 弘一
1986年(有)藤原鉄工所(現フラスコ)入社、1992年代表取締役就任。
時代のニーズに適合した最新鋭設備と長年蓄積した職人技的加工技術を融合させ、顧客の信頼を築いた会社。
保有資格:司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者、2級小型船舶、4級無線技士
タンタルとは

タンタルは、原子番号73の元素。第6周期の第5族にいる遷移金属で、元素記号はTaと表記されます。
1802年、スウェーデンの科学者アンデシュ・グスタフ・エーケベリにより発見されました。その名前は、ギリシャ神話に登場するタンタロスが由来です。
タンタルは、非常に高い融点を持つレアメタルの一種。耐火性にもすぐれており、合金の材料としても利用されています。
タンタルの用途

タンタルの主な用途は以下のとおりです。
- 半導体
- 電子機器
- 化学分野
- 航空宇宙産業
順番に解説します。
半導体
半導体をつくる現場でも、タンタルはたいせつな役割を担います。
タンタルには、半導体の回路をつくる際に、銅が広がるのをふせぐバリアのような働きがあります。
この働きのおかげで、半導体の品質がたかまり、こわれにくくなるのです。その結果、さらにすぐれた電子機器の開発につながっています。
電子機器
電子機器の世界では、タンタルはコンデンサに欠かせない材料として有名です。
タンタルでつくられたコンデンサは、電気をたくわえる力と耐久性にすぐれています。
そのため、スマホやパソコンといった小さな電子機器に多く使われているのです。
化学分野
化学の世界では、タンタルを薬品や医療品をつくる際の容器、配管などに使っています。
タンタルは、強い酸やアルカリといった、ものを溶かす性質をもつ物質にも、とても強いです。
そのため、化学的に安定した環境が必要なばあいに、むいています。
航空宇宙産業
空を飛ぶ乗り物をつくる産業では、タンタルを飛行機のエンジンにある、タービンブレードという部品の製造に使います。
タンタルは熱や腐食にとても強いため、エンジンのきびしい環境下でも、性能を高く保てるのです。これにより、飛行機の安全性が向上し、効率よく飛ぶことができます。
タンタルの切削加工の注意点ポイント

タンタルはねばり気があるため、削ったときに出るくずが工具につきやすいです。
その結果、工具がすりへったり、こわれたりします。また、工具の先に付いたくずが刃のようになってしまい、「構成刃先」という現象がおこり、表面がきれいになりません。
さらにタンタルは、削る時の熱で素材が酸化すると、かたくなり、とても削りにくくなります。
これらの問題をふせぐには、削る速さ(切削速度)と、切削油のえらび方が大切です。
切削速度を上げれば、くずは付きにくくなります。しかし、速度を上げすぎると、かたくなる現象がすすむので、かんたんに速くすれば良いというわけではありません。
このように、タンタルを正確に加工するには、経験をもとに、切削速度や切削油をうまく選ぶことが、とても重要です。
タンタルの特徴

タンタルは、バナジウムの仲間です。
性質としては、金属のグループに入ります。
たくさんある金属の中でも、タンタルは光をあまり反射しません。そのため、見た目は、純粋な金属の中でいちばん暗い色あいです。
タンタルの良いところは、さびにくく、酸にも強いことです。
うすく広げたり、細くのばしたりしやすいため、加工しやすい点も人気があります。
レアメタルという、とても貴重な種類なので、値段がどんどん上がっていることも特徴といえるでしょう。
まとめ
タンタルは、その優れた特性から、幅広い分野で活躍する重要な金属です。
半導体製造では、銅の拡散を防ぐバリア材として、高品質化に貢献します。電子機器分野では、コンデンサの材料として、小型化・高機能化を支えています。
化学分野では、耐薬品性を活かし、容器や配管に使われます。航空宇宙産業では、高い耐熱性・耐食性により、エンジン部品に採用され、安全性と効率向上に役立っています。
ただし、加工時にはねばり気による注意が必要です。
株式会社フラスコでは、昭和48年の創業依頼、一般産業用機械部品の設計・製作・組立をはじめ、チタンやタングステン、ジルコニウムなどの金属加工を行なってきました。
時代にニーズに合わせ、最新鋭の設備と創業から約40年間培った、難削加工を可能とする職人の加工技術で様々な製品を生み出しています。
他社には負けない、業界トップクラスの技術があります。
お問い合わせは無料なので気軽にご連絡ください。