【保存版】ステンレスの特徴6選|種類や鉄との違いについても解説

「ステンレスの特徴ってなんだろう」

「ステンレスにはどんな種類があるのかな?」

「ステンレスと鉄の違いが知りたい」

などとお考えではありませんか?

本記事では、ステンレスの特徴と併せて、ステンレス銅の種類やステンレスと鉄の違いについて解説します。

最後まで読むと、ステンレスの特徴がわかり、正しい知識を持って加工依頼ができます。

この記事の監修者

藤原 弘一

1986年(有)藤原鉄工所(現フラスコ)入社、1992年代表取締役就任。
時代のニーズに適合した最新鋭設備と長年蓄積した職人技的加工技術を融合させ、顧客の信頼を築いた会社。

保有資格:司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者、2級小型船舶、4級無線技士

ステンレスとは

ステンレスとは

ステンレス鋼、一般に英語で「stainless steel」として知られる、はその名の通り「サビびにくい」特性を持つ合金です。

素材は、50%以上の鉄(Fe)と、10.5%以上のクロム(Cr)を含むことで知られており、サビに対する抵抗力があります。

ステンレスの魅力と用途の多様性、製造および加工技術の進歩により、使用量が急増しています。

現在、1人当たりの消費量は、熱間圧延材を基にして約30kgに達しています。

ステンレス鋼の耐久性と汎用性は、様々な産業での需要増加につながっており、日々の生活においても欠かせない素材となっています。

参考:スレンレス協会

ステンレスの歴史

1913年は、クロム合金の発明という歴史的なイノベーションが鉄鋼業界に革命をもたらした、特別な年として記憶されています。

この時期、世界中の科学者たちは新しい合金の開発に力を注ぎ、鉄の特性を向上させる方法を模索していました。

特に、イギリスの研究者ハリー・ブレアリー氏は、銃弾用の鋼材の性能向上を目指して、クロムの割合を高める実験を進めました。

彼は12%のクロムを含む鉄合金が酸による腐食に強いことを発見し、これが現代のステンレス鋼の基礎を築くことになりました。

この発見は、耐久性と防サビ性を要求される多くの産業で、新しい可能性を開きました。

ステンレスの特徴6選

ステンレスの特徴6選

ステンレスの特徴は以下のとおりです。

  • サビにくい
  • 熱が伝わりにくい
  • 加工が難しい
  • 電気を通しにくい
  • リサイクルできる
  • 耐熱性や保湿性が優れている

順番に解説します。

関連記事:ステンレスの加工が難しい理由5選|ステンレスを選ぶ理由も紹介

【特徴①】サビにくい

多くの人々がステンレス鋼の最大の利点として挙げるのはその類稀なる耐サビ性です。

この特性は、「stainless steel(サビびない鋼)」という名前にも明確に表れており、ステンレスは他の金属材料と比較して、圧倒的な耐食性を誇ります。

金属がサビびるプロセスは、空気中の酸素や水分と反応し酸化することによって起こりますが、ステンレス鋼に含まれるクロムは、この反応を効果的に抑制します。

クロムが空気中の酸素と反応すると、金属表面に「不動態皮膜」とも呼ばれる薄い酸化クロム層が形成され、これが金属のさらなる酸化を防ぎます。

この保護膜のおかげで、ステンレス鋼はサビびにくく、その美しさと機能性を長期間保てます。

【特徴②】熱が伝わりにくい

ステンレス鋼のもう1つの重要な特性は、その低熱伝導率です。

ステンレス鋼が熱を伝えにくい理由は、その構成要素であるクロムやニッケルにあります。

これらの金属は熱の伝達を効果的に減少させる性質を持っています。

この特性は、特に調理器具の設計において重要です。

たとえば、フライパンの持ち手をステンレス鋼で作ることにより、熱が持ち手部分に伝わるのを防ぎ、安全で快適な使用を可能にします。

このように、ステンレス鋼の熱伝導率の低さは、日常生活における多くの製品の機能性と安全性を高める上で重要な役割を果たしています。

【特徴③】加工が難しい

ステンレス鋼の加工には特別な技術が必要であるというのは、その独特な物理的特性に起因します。

主な理由の一つは、ステンレス鋼が示す「加工硬化」現象です。

これは、加工過程で物理的な力が適用されると、ステンレス鋼が硬化し、その後の加工が難しくなるという性質です。

さらに、ステンレス鋼の耐サビ性を高める酸化膜は、金属表面を保護する役割を果たしますが、この膜は加工を困難にする要因ともなります。

この膜は、サビだけでなく、加工時の物理的な干渉からも金属表面を守ろうとします。

このように、加工硬化と表面の酸化膜により、ステンレス鋼の加工は専門的な工具と高度な技術を必要とします。

正しい方法で加工することで、ステンレス鋼の優れた特性を最大限に活かせます。

【特徴④】電気を通しにくい

ステンレス鋼は、その電気伝導性の低さによっても知られています。

鉄や銅など他の多くの金属と比較して、ステンレス鋼は電気をあまり良く通しません。

この特性のため、電気を効率的に伝える必要があるアプリケーションではステンレス鋼の使用が適していない場合があります。

電気伝導性が重要な要素となる環境や製品においては、より高い電気伝導率を持つ素材が選ばれることが一般的です。

ステンレス鋼のこの特性は、特定の用途での材料選択において重要な考慮事項となります。

【特徴⑤】リサイクルできる

ステンレス鋼はその持続可能性と利便性で注目される金属で、リサイクルが容易な点が大きな利点です。

使用寿命が終わった製品も溶解して新たな用途に生まれ変われます。

また、ステンレス鋼のメンテナンスのしやすさも魅力の1つです。

特別な手入れをしなくても耐久性が保たれ、長期間にわたってその機能性を維持します。

そのため、経済的で環境に優しい選択肢として、幅 広い分野での利用が推奨されます。

ステンレス鋼は、使用後のリサイクルが可能であり、維持管理が容易なため、扱いやすい金属と言えるでしょう。

【特徴⑥】耐熱性や保湿性が優れている

ステンレス鋼は、その卓越した耐熱性と保温性で知られています。

これらの特性は、長時間にわたって内容物を温かく保つ必要がある製品、たとえば、水筒やポットの内部にステンレス鋼を使用することで顕著に現れます。

同時に、ステンレス鋼は放熱性が低いため、熱を効率的に放散する必要がある用途、特に高温にさらされる車のエンジンパーツなどには不向きです。

このような環境では、他の材料が適している場合が多いです。ステンレス鋼のこれらの特性は、適切なアプリケーションを選定する際に重要な要素となります。

ステンレス鋼の種類

ステンレス鋼の種類

ステンレス鋼の種類は以下のとおりです。

  • マルテンサイト系
  • オーステナイト系
  • フェライト系
  • 二相系
  • 析出硬化系

順番に解説します。

マルテンサイト系

マルテンサイト系ステンレス鋼は、クロムと炭素を主要成分とし、ニッケルを含まない特殊なステンレス鋼です。

熱処理を施すことでマルテンサイトと呼ばれる硬い金属組織を形成し、高い硬度を実現します。

しかし、このタイプのステンレス鋼は、他の種類に比べて厳しい環境下でのサビびやすさと、低い耐食性が欠点です。

マルテンサイト系ステンレス鋼は、その高硬度を活かして刃物、ノズル、タービンブレードなどの用途に適しています。

この系統には、SUS403やSUS410などのグレードが含まれます。

オーステナイト系

オーステナイト系ステンレス鋼は、クロムとニッケルを主要成分としており、常温でオーステナイト組織を維持する、ニッケルを含む唯一のステンレス鋼タイプです。

この系列のステンレス鋼は、他のタイプと比較して顕著な耐食性を持ち、熱処理を施さなくても高い靭性と優れた溶接性を誇ります。

オーステナイト系は、全ステンレス鋼生産量の約60%を占める、非常に重要な金属材料です。

この系統には、SUS304やSUS316などの代表的なグレードがあり、家庭用品から自動車部品、建築資材まで、幅広い用途で利用されています。

フェライト系

フェライト系ステンレス鋼は、ニッケルを含まず、硫黄含有ガスなど特定の腐食性環境に対して強い耐性を示す特徴を持っています。

この系統はオーステナイト系のように塩化物イオンの存在下での応力腐食割れに対しても強い耐性を持ち、さらに一般の鉄と同様に磁性を有しています。

ただし、オーステナイト系に比べて耐食性にはやや劣るとされています。

コストパフォーマンスに優れ、溶接性にも優れる点が魅力のフェライト系ステンレス鋼は、建具や家庭用品など幅広い用途で採用されています。代表的な鋼種にはSUS430などがあります。

二相系

二相系ステンレス鋼は、オーステナイト系とフェライト系ステンレス鋼の特性を兼ね備えた合金です。

この種類のステンレス鋼は、両方の金属組織が混在しており、その結果、優れた耐食性と強度を実現しています。

このため、海水を扱う機器や化学プラントの装置など、厳しい環境下での使用に適しています。

二相系ステンレス鋼の中でも、SUS329J1は特によく知られている代表的な鋼種です。

析出硬化系

析出硬化系ステンレス鋼は、クロムとニッケルを基本成分とし、さらにアルミニウムや銅などの元素を加えることで特化された合金を作り出しています。

このタイプのステンレス鋼は、析出硬化と呼ばれる特殊な熱処理プロセスを経ることで、これらの添加元素が化合物として分離し、材料の硬度を大幅に向上させます。

その結果、高い耐食性と高温環境における強度を備えるため、航空機や宇宙開発などの先端技術分野での利用が見られます。

代表的な析出硬化系ステンレス鋼には、SUS630やSUS631があり、これらはSUSの後に600番台の数字で区分されます。

ステンレスのサビ発生の原因

ステンレスのサビ発生の原因

ステンレス鋼の表面には、サビびに対する抵抗力を高める不動態皮膜が形成されていますが、この保護膜が何らかの理由で損傷し、その再生が阻害されるとサビが生じることがあります。

サビの発生に影響を与える主な要因は以下のとおりです。

海岸地域では、海水からの塩分(塩化物)が大気中に飛散し、ステンレス鋼の表面に付着することで孔食サビを引き起こしやすくなります。

物理的な損傷や表面の傷は、塩化物が集積しやすい環境を作り出し、乾湿の繰り返しによってサビの発生を促進します。

加工や成形の過程で金属表面に付着した鉄粉などの異物も、他の部分からのサビを引き起こす原因となることがあります。

サビの防止対策

海岸近くの地域では、特に台風時には大量の海塩粒子が空気中を飛散し、近隣の建材や製品に付着しやすくなります。

これらの塩分は、ステンレス鋼製品の表面に蓄積するとサビの原因となるため、定期的な水洗いでこれらの塩分を除去することが重要です。

製品の成形や加工後は、表面を丁寧に洗浄し、鉄粉などの異物を取り除く必要があります。

特に、加工によって表面に付着した微細な鉄粉は、使用前に酸洗いなどの方法で除去することが推奨されます。

さらに、雨が直接当たらない場所であっても、一度付着した海塩粒子は自然に洗い流されにくく、サビのリスクを高めます。

そのため、これらの部分についても特に注意を払い、定期的な洗浄が必要です。

ステンレスと鉄の違い

ステンレスと鉄の違い

鉄とステンレス鋼を一言で区別する場合、「鉄は時間と共にサビびるが、ステンレス鋼は極めてサビびにくい」と表現できます。

ステンレス鋼は鉄に比べて圧倒的に耐食性に優れていますが、金やプラチナのように完全にサビびないわけではありません。

使用環境や扱い方によってはステンレス鋼もサビびるリスクがありますが、環境に合った鋼種の選択と適切な防サビ対策を講じることで、長期間にわたってその機能を維持し続けることが可能です。

まとめ【ステンレスの特徴を把握しましょう】

今回は、ステンレスの特徴と併せて、ステンレス銅の種類やステンレスと鉄の違いについて解説しました。

スレンレスの特徴は以下のとおりです。

  • サビにくい
  • 熱が伝わりにくい
  • 加工が難しい
  • 電気を通しにくい
  • リサイクルできる
  • 耐熱性や保湿性が優れている

それぞれ把握しましょう。

株式会社フラスコでは、昭和48年の創業依頼、一般産業用機械部品の設計・製作・組立をはじめ、ステンレス・チタンやタングステン、ジルコニウムなどの金属加工を行なってきました。

時代にニーズに合わせ、最新鋭の設備と創業から約40年間培った、難削加工を可能とする職人の加工技術で様々な製品を生み出しています。

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