【保存版】モリブデン加工の種類|特徴や用途についても解説

  • 「モリブデン加工の種類が知りたい」
  • 「モリブデンの特徴ってなんだろう」
  • 「モリブデンって主に何に使われているのかな」

などとお考えではありませんか?

本記事では、モリブデン加工の種類と併せて、モリブデンの特徴や用途、タングステンの違いについても解説します。

最後まで読むと、モリブデンについて詳しくなり、適正な加工を依頼できます。

この記事の監修者

藤原 弘一

1986年(有)藤原鉄工所(現フラスコ)入社、1992年代表取締役就任。
時代のニーズに適合した最新鋭設備と長年蓄積した職人技的加工技術を融合させ、顧客の信頼を築いた会社。

保有資格:司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者、2級小型船舶、4級無線技士

モリブデンとは

モリブデンとは

モリブデンは元素記号Moを持つ、原子番号42の化学元素です。

この金属は銀色で光沢があり、非常に硬く、高い融点を持つことで知られています。

その融点は約2600℃に達し、一般的な金属如く鉄やアルミニウムと比較しても非常に高いです。

モリブデンのこのような特性、特に高い融点、硬さ、そして耐腐食性は、産業分野での広範な利用に繋がっています。

製造業では、モリブデンは機械部品、金型、電子部品の製造に使用されることが多いです。

また、鋼材の強度や耐熱性を向上させるために、合金の成分としても非常に重要です。

モリブデンの名前の由来

モリブデンという名前は、古代ギリシャ語で「鉛」を意味する「molybdos」に由来しています。

この元素は当初、黄鉛鉱内に存在する化学的に結合した状態で発見され、しばしば鉛と誤認されていました。

しかし、スウェーデンの化学者シェーレが1778年にモリブデンと鉛との間の化学的違いを明らかにし、その結果、モリブデンは自然界に存在する約90種類の元素の一つとして認識されるようになりました。

モリブデンの歴史

モリブデンの歴史

古代ギリシャとローマ時代には、鉛のような外観を持つ柔らかな鉱物が「モリブドス(molybdos)」と呼ばれていました。

この言葉は当初、「鉛の鉱石」を意味し、主にグラファイトや方鉛鉱を指していました。

しかし、外見が方鉛鉱に似ている輝水鉛鉱(モリブデンの鉱石)もやがて「モリブダイナ(molybdina)」という名で知られるようになりました。

1778年にスウェーデンの薬剤師カール・シェーレは、輝水鉛鉱(硫化モリブデン)と硝酸を反応させ、三酸化モリブデン(MoO3)を分離することで、この鉱石が鉛ではないことを証明しました。

その後、1781年にシェーレの友人であり化学者のピーター・イェルムが酸化モリブデンを石炭で還元し、モリブデンの金属としての単体を分離しました。

この時が金属「モリブデン」として命名された瞬間でした。

モリブデンを含む合金鋼は19世紀末に工業的に広く使用されるようになり、ステンレス鋼や耐熱鋼などの開発に大きな影響を与えました。

モリブデンの特徴

モリブデンの特徴

モリブデンはタングステンに似た特徴を持つ、銀白色で高硬度・高融点の金属です。

その希少性から、レアメタルとして分類されています。

この金属は主に、鉄鋼の強度を向上させたり、ステンレスの耐食性を高めたりするための合金の添加元素として使用されます。

モリブデンの融点は2620℃と極めて高く、高温での優れた機械的性質、高温強度、耐クリープ性を有します。

低い熱膨張率のため、高温でも形状の安定性が高いという利点があります。

これらの特性により、高温環境下での厳しい負荷に耐えうる用途に適しています。

中には、耐熱温度が1550℃に達するモリブデン合金も存在します。

ただし、その高い融点のため、インゴット形成が困難であり、多くの場合、粉末冶金法による焼結体が一般的です。

さらに、モリブデンは高いヤング率(縦弾性係数)、熱伝導率、電気抵抗率を持ち、溶融ガラスや金属、塩に対して優れた耐食性を示します。

しかし、500℃以上で酸化しやすく、1100℃を超えると再結晶温度に達し、強度や硬度が低下します。

また、高いヤング率のために常温での塑性加工が難しく、溶接や切削も困難です。

価格は比較的高く、アルミニウムやステンレスに比べると20倍以上の価格が付くこともあります。

しかし、タングステンに比べて加工性が良く、微細構造の成形が可能です。

モリブデンの用途

モリブデンの用途

モリブデンは単体で使用されることは少なく、主に鋼材の性能を強化する添加物として利用されます。

モリブデンを含む鋼材は、特に高温での強度や硬度の向上、靭性の強化でその効果が顕著です。

様々な合金工具鋼、耐熱鋼、高速度鋼などにモリブデンが添加されており、これらは鉄単体にはない独特の耐性を持つ特殊な合金です。

モリブデンが加えられる鋼材は、高温環境での使用、強度や精度が要求される部品、熱伝導性が重視される部品などで広く使われています。

また、モリブデンだけでなく、クロム、ニッケル、バナジウムなど他の元素と組み合わせることで、さらに多様な特性を持たせられます。

高温耐性と高い強度を兼ね備えたモリブデン添加鋼材は、多くの分野で重要な役割を果たしています。

モリブデン加工の種類

モリブデン加工の種類は以下のとおりです。

  • モリブデン切削加工
  • モリブデン板金加工
  • モリブデン接合加工

順番に解説します。

モリブデン切削加工

モリブデンの加工には特有の難しさがあります。

他の高融点金属であるタングステンやタンタルと比較して、切削性自体はそれほど悪くはないのですが、その脆さや粘り強さが加工を困難にしています。

このため、一般的な加工方法では難易度が高く、難削材料として分類されることが多いです。

また、延性が低いために切り屑が連続せず、これが仕上げ面の品質を下げる原因になります。

切削加工においては、モリブデンの特性に適した工具の選択が重要です。

特に超硬素材で作られたK種の工具が適していますが、セラミックスやサーメット素材の工具は適していないので注意が必要です。

延性が低く、表面の粗さが問題となる場合、湿式加工(切削油やクーラントを用いた加工)を行うことで、切り屑の連続性が向上し、品質が改善される可能性があります。

また、モリブデンは脆性があり、加工中に素材が欠けやすい特徴があります。

特に工具が素材から離れる瞬間に欠けが発生しやすいので、ツールパスや切り込み量の調整など、加工方法の工夫が重要です。

モリブデン板金加工

モリブデンは金属加工が可能ですが、体心立方構造を持つ他の金属と同様に、特定の遷移温度を持っています。

この温度を下回ると、モリブデンは脆く硬い状態になり、加工しにくくなります。しかし、遷移温度以上では延性が増し、加工しやすくなります。

しかし、再結晶温度を超えて加熱すると、結晶粒が大きく成長し、材料の強度と硬度が大幅に低下します。

そのため、板金加工には脆さと延性の遷移温度を超えるが再結晶温度以下の温度範囲が推奨されます。

機械加工性に関しては、鋳鉄の加工性に似ていますが、工具の精密なセットアップが必要です。

モリブデンはプレス加工には向かず、ヒビ割れや欠けやすい性質があるため、専用の金型を使用した成形が必要です。

レーザー加工は比較的うまくいきますが、曲げ加工は常温では難しく、加熱してから行う必要があります。

モリブデン接合加工

モリブデンは特定の制約下で、TIG溶接、電子ビーム溶接、レーザー溶接が行えます。

ただし、溶接作業は非常に技術的な困難を伴い、酸化を防ぐために特殊な環境設備が必要です。

溶接後には材料が高温の状態になるため、完全に冷却するまで大気中にさらせません。

また、これらの溶接プロセスを適用しても、割れなどの問題が発生するリスクが高いです。

複雑な溶接工程に比べて、リベット留めの方がコスト的には有利です。

また、使用する材料によっては、ろう付けという加工方法も適用可能です。

関連記事:ジルコニウムの主な用途|歴史や特徴についても詳しく解説

モリブデンとタングステンの違い

モリブデンとタングステンの違い

タングステンは、モリブデンと同様にレアメタルに分類され、高融点、高比重、低熱膨張性、そして優れた熱伝導性を持つ点で類似しています。

チタン、ニッケル、アルミニウムなどの他の金属と比較して、耐久性が高いため、時には「超合金」とも呼ばれます。

このような特性を持つモリブデンとタングステンは、多様な形状への加工が可能で、機械や化学製品などの多岐にわたる用途で使用されています。

しかし、モリブデンとタングステンの間には加工性の面で大きな違いがあります。

モリブデンはステンレスに匹敵する加工性を持ち、比較的複雑な形状に加工することが容易です。

一方で、タングステンは硬度が非常に高く、カーボンやコバルトと混合されるとダイヤモンドに次ぐ硬さを持つ超硬合金になります。この高い硬度のため、加工が難しい一面を持っています。

また、熱耐性の面ではタングステンがモリブデンよりも優れており、高温が発生する現場で必要とされる部品製造においては、熱に強いタングステンが選ばれることが多いです。

まとめ【モリブデン加工の種類を把握しましょう】

今回は、モリブデン加工の種類と併せて、モリブデンの特徴や用途、タングステンの違いについても解説しました。

モリブデン加工の種類は以下のとおりです。

  • モリブデン切削加工
  • モリブデン板金加工
  • モリブデン接合加工

それぞれの特徴を理解しましょう。

株式会社フラスコでは、昭和48年の創業依頼、一般産業用機械部品の設計・製作・組立をはじめ、モリブデンやチタン、タングステン、ジルコニウムなどの金属加工を行なってきました。

時代にニーズに合わせ、最新鋭の設備と創業から約40年間培った、難削加工を可能とする職人の加工技術で様々な製品を生み出しています。

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