【保存版】ハステロイの種類|メリット・デメリットについても解説

各種ハステロイ合金が持つ独自の特性と用途を詳細に解説し、あなたのプロジェクトに最適な材料を選ぶための手助けをします。

B3、Xの四つの主要な種類に焦点をあて、それぞれがどのような環境や要求条件に最適であるかを具体的に紹介しています。

特に厳しい産業環境で求められる性能を実現するハステロイは、化学プラントや航空宇宙産業、さらには医療機器分野に至るまで幅広い応用が可能です。

パフォーマンスと信頼性を実現し、プロジェクトの成功を後押しします。

このガイドを大切に、あなたの技術問題を解決し、長期的な利益を享受する方法を探りましょう。

この記事の監修者

藤原 弘一

1986年(有)藤原鉄工所(現フラスコ)入社、1992年代表取締役就任。
時代のニーズに適合した最新鋭設備と長年蓄積した職人技的加工技術を融合させ、顧客の信頼を築いた会社。

保有資格:司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者、2級小型船舶、4級無線技士

ハステロイとは?

ハステロイとは?

ハステロイ(HASTELLOY®)は、米国のヘインズ社(Haynes International, Inc)の商標で登録されているニッケル合金の一種です。

この合金は、ニッケルを基盤としてモリブデンやクロムを高濃度で加えることにより、優れた耐腐食性と耐熱性を実現しています。

この特性から、ハステロイはさまざまな分野で広く使用されており、日本国内でも「ハステロイ」という名前が一般名称のように認知されています。

また、含まれるモリブデンやクロム、鉄などの成分量によって、「ハステロイB」や「ハステロイC」など複数の種類に分類されます。

ハステロイの種類

ハステロイの種類

ハステロイの種類は以下のとおりです。

  • ハステロイC276
  • ハステロイC22
  • ハステロイB3
  • ハステロイX

順番に解説します。

ハステロイC276

ハステロイC276は、最初に開発されたハステロイ合金であり、50年以上にわたる豊富な実績を誇ります。

このニッケル-クロム-モリブデン合金は、「溶接時の問題を軽減する」という特長を持つ設計が施されており、ハステロイ合金の中でも特に広く利用されている代表的な材質です。

ハステロイC22

ハステロイC22は、クロム含有量が非常に高いことが特徴で、酸化性環境に対する耐性がC276合金を大きく上回ります。

また、ステンレス鋼が侵されやすい塩化物誘発の孔食にも優れた耐性を発揮する特性を持っています。

ハステロイB3

ハステロイB3は、主に純粋な還元性酸を処理する反応容器の構造材として使用されることが多い材料です。

この合金は、塩酸、臭化水素酸、硫酸に対して優れた耐食性を発揮する特性を持っています。

ハステロイX

ハステロイXは、耐熱性や耐酸化性に加え、加工性と高温強度のバランスに優れた特性を持つ材料です。

特に、650°C〜870°Cで16,000時間の熱処理を行った後でも優れた延性を維持しており、高温環境での強度の高さが際立っています。

ハステロイのメリット

ハステロイのメリット

ハステロイのメリットは以下のとおりです。

  • 耐熱性
  • 耐食性
  • 鍛造性や溶接性が良い
  • 高性能

順番に解説します。

耐熱性

ハステロイは優れた耐熱性能を備えた特殊合金です。

一般的な金属材料では温度が上昇すると機械的強度が低下してステマが、ハステロイはそのような欠点を克服しています。

一部のハステロイ合金においては1100℃という極めて高い温度環境下でも性能を維持できる点です。

この卓越した耐熱特性により、高温での使用に上限なく適した材料として評価されています。

耐食性

ハステロイはその優れた耐腐食性で知られており、特別なメッキや塗装を必要とせずに使用できます。

これは「耐食性合金」とも称され、酸性および還元性の環境のどちらにも対応可能です。

さらに、海水のような厳しい条件下でもその耐久性を保つことができ、様々な腐食環境での使用に適しています。

鍛造性や溶接性が良い

ハステロイは、切削加工に関しては扱いが難しい材料として知られていますが、その鍛造や溶接による加工には適性があります。

ハステロイの内部組織が緻密になり、強度が向上します。

また、溶接加工においても、ハステロイは良好な特性を示します。

溶接は材料を溶融させて接合する方法であり、切削のような機械的な加工を必要としないため、ハステロイのような高性能合金しかし比較的容易に加工することができます。

このように、適切な加工方法を選択することで、ハステロイの優れた特性を最大限に活かすことが可能となります。

高性能

優れた耐食性と耐熱性で広く知られるチタンですが、ハステロイはそのチタンの性能をさらに凌駕する特性を持っています。

ような金属材料では対応が困難な状況下でも、ハステロイは安定した性能を維持し続けることができます。

チタンでは性能の限界を迎えてしまうような限界な環境下も、ハステロイは高い信頼性を維持できることから、化学プラントや航空宇宙産業など、極限環境での使用が求められる工業分野で重要な役割その卓越した性能特性により、最も限られた産業用途において重要な材料として確固たる地位を確立しています。

ハステロイのデメリット

ハステロイのデメリット

ハステロイのデメリットは以下のとおりです。

  • 加工が難しい
  • 費用がかかる

順番に解説します。

加工が難しい

ハステロイは、その高い硬度と特殊な性質により、切削加工に特有の課題があります。

加工中に材料がさらに硬化する性質(加工硬化)を持っているため、精密な仕上げ加工には多くの時間とさらに、熱を逃がしにくいという特徴があり、加工時の発熱が工具に大きな負担をかけます。

この熱による影響で、切削工具の寿命が通常の金属材料を加工する場合と比較してすぐになってしまうという技術的な課題があります。

費用がかかる

ハステロイは、その卓越した性能を実現するために、ニッケルやモリブデンといった高価な元素を主要な構成材料として使用しています。

これらの貴重な合金元素を多量に含有する必要があるため、製造コストが大きく上昇し、結果として一般的なステンレス鋼と比較すると、材料価格が数倍にも達してしまうという経済的な特徴があります。

ハステロイの用途

ハステロイは、その優れた耐食性と耐熱性を話し、業界の最も狭い環境で使用される高性能合金です。

化学プラントでは各種装置部品として活躍し、特に知覚性の強い物質を扱う場所でのまた、精密機器においては圧力計のダイヤフラムなど、高い信頼性が要求される部品にも採用されています。

航空産業では、極限的な温度と圧力にされるさらジェットエンジンの部品として重要な役割を果たしている。

さらに、製紙産業、化学品精製、廃棄物処理施設、核燃料再処理プラント、石油化学プラント、半導体製造装置など、高温・高圧・強腐食性という限界な環境下で稼働する設備に関して、重要な構成材料として広く使用されています。

これらの分野で求められる厳しい要求性能に応える材料として、ハステロイは目安な存在となっております。

まとめ

ハステロイは、ニッケル基合金の一種で、耐熱性・耐食性に優れることから、化学プラントや航空機エンジンなど、過酷な環境で使用される部品に多く用いられます。

主な種類と特徴

  • ハステロイC276: 最も一般的な種類で、幅広い腐食環境に対応。溶接性も優れています。
  • ハステロイC22: 酸化性環境に強く、塩化物イオンによる孔食にも耐性があります。
  • ハステロイB3: 塩酸、硫酸などの還元性酸に強いのが特徴です。
  • ハステロイX: 高温強度と耐酸化性に優れ、航空機エンジン部品などに使用されます。

ハステロイのメリット

  • 耐熱性・耐食性: 高温・高圧、強腐食性環境でも安定した性能を発揮します。
  • 加工性: 溶接性、鍛造性に優れ、様々な形状に加工できます。

ハステロイのデメリット

  • 高価格: 特殊な合金のため、一般的なステンレス鋼に比べて高価です。
  • 加工の難しさ: 切削加工が難しく、専門的な技術が必要です。

ハステロイの用途

  • 化学プラント: 反応器、熱交換器など
  • 航空宇宙: ジェットエンジン部品
  • 石油化学: 配管、バルブなど
  • 半導体製造: 部品

株式会社フラスコでは、昭和48年の創業依頼、一般産業用機械部品の設計・製作・組立をはじめ、チタンやタングステン、ジルコニウムなどの金属加工を行なってきました。

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