チタンが金属アレルギーを起こしにくい理由|症状やなりにくい金属も紹介

  • 「チタンって金属アレルギーを引き起こすのかな……」
  • 「金属アレルギーになりにくい金属が知りたい」
  • 「なんでチタンが金属アレルギーを起こしにくいっていわれているのかな」

などとお考えではありませんか?

本記事では、チタンが金属アレルギーを起こしにくい理由と併せて、金属アレルギーの概要や金属アレルギーか調べる方法、金属アレルギーになりにくい金属について解説します。

最後まで読むと、金属アレルギーの仕組みと症状が理解できます。

この記事の監修者

藤原 弘一

1986年(有)藤原鉄工所(現フラスコ)入社、1992年代表取締役就任。
時代のニーズに適合した最新鋭設備と長年蓄積した職人技的加工技術を融合させ、顧客の信頼を築いた会社。

保有資格:司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者、2級小型船舶、4級無線技士

チタンが金属アレルギーを起こしにくい理由

チタンが金属アレルギーを起こしにくい理由

チタンはその軽さと強度、高い耐食性のため、金属アレルギーを引き起こす可能性が低い金属として知られています。

これは、チタンが酸素と強く結合し、その表面にTiO2の安定した酸化膜を形成するためです。

この酸化膜が、内部の金属イオンの溶出を防ぎます。

このような不動態を保つ性質のおかげで、チタンは歯科インプラントや人工関節など、人体内に埋め込まれる用途にも広く使用されており、その安全性は広く認められています。

関連記事:チタンの加工方法|特徴やメリットも詳しく解説

そもそも金属アレルギーとは

そもそも金属アレルギーとは

金属アレルギーは、皮膚が金属に触れた際に金属から放出されるイオンが、汗や唾液などの体液と反応して生じます。

この反応によって生まれた金属イオンは、皮膚のたんぱく質と結合し、体内ではこれを外来の侵入者と認識します。

その結果、体は防御反応を起こし、アレルギー症状が現れるのです。

特に夏の暑い時期は、汗を多くかくため金属イオンが生成されやすくなります。

このため、金属アレルギーの症状が出やすくなり、アレルギー反応を示す人の数も増加する傾向があります。

金属アレルギーの概要

金属アレルギーの概要

金属アレルギーは「接触皮膚炎」と「全身性金属皮膚炎」の2種類があります。

  • 接触皮膚炎
  • 全身性金属皮膚炎

順番に解説します。

【金属アレルギー①】接触皮膚炎

金属アレルギーは、金属製品が肌に直接接触することによって引き起こされる反応です。

例えば、金属で作られたアクセサリーやボタンなどが皮膚に触れた際、その接触箇所やその周囲の皮膚に局所的なアレルギー症状が生じることがあります。

これらの症状には、肌のかぶれや赤み、かゆみなどが含まれ、金属との接触部分に限定して現れることが一般的です。

接触皮膚炎の主な原因

  • 金属素材が一部または全体に組み込まれているジュエリー類(例:イヤリング、指輪、ネックレスなど)
  • 金属部品を含むファッションアイテム(例:ベルトの留め具、腕時計など)
  • メイクアップツールや化粧品パッケージに使用される金属素材(例:まつげカーラーの金属部分やアイライナーのキャップ)
  • 化粧品の成分として含まれる金属
  • 革製品に残る金属成分(例:なめし処理に使われたクロムなど)

接触皮膚炎の主な症状

金属アレルギーは、金属を含む製品が皮膚に接触した箇所に対応して、赤みやかゆみ、小さな発疹などの皮膚炎症状を引き起こします。

重症の場合には、これらの症状が全身に拡がり、湿疹や蕁麻疹のほか、発熱や全身のだるさなどの全身反応を引き起こすこともあります。

金属による反応は、接触直後に現れることもあれば、数時間から数日後に発生することもあり、そのタイミングは個人差があります。

【金属アレルギー②】全身性金属皮膚炎

金属アレルギーは、歯科治療の詰め物や食品に含まれる金属が体内に蓄積することによって引き起こされる場合があります。

このような金属は、口内の粘膜や消化器系を通じて体内に吸収されることがあり、結果として顔や全身に特有の皮膚症状を引き起こすことがあります。

これには、汗疱状湿疹や掌蹠膿疱症などが含まれ、金属が体内に入ることで引き起こされるアレルギー反応の一形態です。

全身性金属皮膚炎の主な原因

  • 歯科で使用される金属製の詰め物や冠など、口腔内に装着される銀などの金属素材
  • 食べ物に自然に含まれる金属成分(例:豆類、ナッツ、チョコレート、ココア、キノコ、海藻類に含まれる微量金属)

全身性金属皮膚炎の主な症状

一旦感作が起きると、原因となる金属を食事などを通じて摂取した際にアレルギー反応が生じ、身体に広範囲の皮膚症状(赤み、かゆみ、小さなブツブツなど)が現れます。

特に歯科で使用される金属にアレルギー反応がある場合、口内が炎症を起こすことがあります。

また、体の広範囲に赤紫色の斑点が現れたり、手のひらや足の裏に水ぶくれや膿疱(白い膿を含む小さな袋)が形成されることもあります。

関連記事:チタンは錆びるのか?用途やメリット・デメリットを解説

チタンは金属アレルギーになる可能性

チタンは金属アレルギーになる可能性

従来、チタンは金属アレルギーを引き起こしにくいとされてきましたが、最近ではチタン(Ti)に対するアレルギー反応を示す人が増えているという報告があります。

これの原因は完全には明らかではありませんが、歯科治療におけるインプラントなどでチタンとの接触が増えたことが一因であると考えられています。

したがって、チタンが全ての人において金属アレルギーを引き起こさないとは、近年では断言できなくなってきているようです。

なぜチタンでかぶれるのか

なぜチタンでかぶれるのか

多くのチタン製アクセサリーは、実際にはチタンと他の金属の組み合わせで作られています。

これには、アレルギー反応を引き起こす可能性のあるニッケル、クロム、亜鉛、銅などが含まれることがあります。

例えば、一般的なチタン製ピアスの場合、耳に挿入するポスト部分はチタンであっても、ピアスのヘッドやキャッチ部分は真鍮やステンレス製のことが多いです。

さらに、形状記憶合金として知られるチタン-ニッケル合金を使用している場合もあり、その中のニッケル成分に対してアレルギー反応を示すこともあります。

したがって、チタンのアクセサリーには以下のような種類が存在します。

  • 純チタンのみで作られた製品
  • チタン合金
  • チタンと他の金属を組み合わせた製品

これらの中で、金属アレルギーのリスクが最も低いのは純チタン製のアクセサリーです。

チタンの種類【純チタンとチタン合金】

チタンの種類【純チタンとチタン合金】

チタンは、大きくわけると「純チタン」と「チタン合金」の2種類にわけられます。

  • 純チタン
  • チタン合金

それぞれ解説します。

純チタン

純チタンはJIS規格に基づき、1種から4種までの4つのカテゴリーに分類され、各々の種類は鉄と酸素の含有量によって異なります。

1種のチタンは工業用として高い耐食性を備え、化学プラントや石油精製装置に適しています。このタイプは純度が最も高く、それに伴い強度は若干低めです。

2種のチタンは、純チタンの中で最も一般的に使用され、その汎用性から多くの工業用途に適しています。

3種のチタンは4つの中で最も強度が高く、特定の工業用途には向かないことがあります。

4種のチタンは工業用としての純度は比較的低いですが、強度と耐食性に優れており、加工には高度な技術が必要とされます。

チタン合金

チタン合金は大きく3つのカテゴリー、α型合金、β型合金、そしてα+β型合金に分類されます。

α型合金

α型合金は、アルミニウムが加えられたチタンで構成され、特に耐熱性に優れています。

極低温環境において他の型よりも高い破壊強度を誇りますが、加工が難しい点がデメリットとされます。

β型合金

β型合金は、チタン合金の中で最も強度が高いとされています。

この強度のもかかわらず加工しやすいため、多様な用途に適応可能です。ただし、高温下では強度を維持することが難しいという欠点があります。

α+β型合金

α+β型合金は、α型とβ型の特性を兼ね備えたチタン合金です。

この合金は強度と延性、靭性に優れ、耐熱性も高いです。製造過程での調整が容易であり、扱いやすさからも広く使用されています。

金属アレルギーか調べる方法

金属アレルギーか調べる方法

それは「金属アレルギー検査」で調べられます。

金属アレルギーの検査は、特定の金属成分を含んだパッチテストを用いて行われます。

このテストでは、金属成分を浸み込ませたシールのようなパッチを患者の皮膚に直接貼り付け、一定時間後にアレルギー反応の有無を確認します。

皮膚に故意に「かぶれ」を引き起こすことで、アレルギーの原因物質を特定することが可能になります。

金属アレルギーになりやすい金属

金属アレルギーになりやすい金属

金属アレルギーになりやすい金属は以下のとおりです。

  • ニッケル
  • パラジウム

順番に解説します。

【金属アレルギーになりやすい金属①】ニッケル

「ニッケル」は、最もよく知られているアレルギーを引き起こし物質の1つです。

日常生活で頻繁に接触する製品や硬貨に広く使用されています。特に注意が必要なのは、ゴールドの合金としてホワイトゴールドなどに利用される場合があることです。

店舗によってはこのようなニッケルを含む製品が販売されているため、購入時には慎重に確認することが推奨されます。

【金属アレルギーになりやすい金属②】パラジウム

ニッケルとパラジウムは性質が似ているため、ニッケルに対してアレルギー反応を示す人は、パラジウムにもアレルギーを発症する可能性が高いとされています。

【金属アレルギーになりやすい金属③】銅

「銅」は、ニッケルやパラジウムほど一般的ではないものの、個人によって金属アレルギーの原因となることがあります。

特にカラーゴールドなどを選ぶ際には、銅によるアレルギー反応の可能性を考慮する必要があります。

金属アレルギーになりにくい金属

金属アレルギーになりにくい金属

金属アレルギーになりにくい金属は以下のとおりです。

  • タンタル
  • ジルコニウム
  • チタン

順番に解説します。

【金属アレルギーになりにくい金属①】タンタル

タンタルは、その卓越した耐食性のために「王水」(プラチナや金を溶解する強力な酸)にさえも溶けないことが知られており、その結果、イオン化しにくく非常に安全な素材とされています。

体液との反応がほとんどないため、インプラントや人工骨の製造にも利用されています。

【金属アレルギーになりにくい金属②】ジルコニウム

ジルコニウムは、チタンに類似した特性を持ち、酸化皮膜を形成することでイオン化が困難な素材です。

チタンと比較して、この酸化皮膜がより堅牢であるため、金属アレルギーに対する安全性はさらに高いと言えます。

【金属アレルギーになりにくい金属③】チタン

チタンは、酸化皮膜を形成して不動態になることで、イオン化しにくく、金属アレルギーを起こしにくい素材として広く知られています。

また、プラチナの約1/4という軽量性が、この素材の最も顕著な特徴の1つです。

まとめ【チタンは金属アレルギーを起こしにくい】

今回は、チタンが金属アレルギーを起こしにくい理由と併せて、金属アレルギーの概要や金属アレルギーか調べる方法、金属アレルギーになりにくい金属について解説しました。

チタンが酸素と強く結合し、その表面にTiO2の安定した酸化膜を形成するためです。

この酸化膜が、内部の金属イオンの溶出を防ぎます。このような不動態を保つ性質のおかげで、チタンが金属アレルギーを引き起こしにくいとされています。

株式会社フラスコでは、昭和48年の創業依頼、一般産業用機械部品の設計・製作・組立をはじめ、チタンやタングステン、ジルコニウムなどの金属加工を行なってきました。

時代にニーズに合わせ、最新鋭の設備と創業から約40年間培った、難削加工を可能とする職人の加工技術で様々な製品を生み出しています。

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