【保存版】アルミニウムの性質|用途や注意点についても解説

「アルミニウムの性質ってなんだろう?」そんな疑問をお持ちではないですか? 

アルミ缶から航空機まで、私たちの身の回りで活躍するアルミニウム。

この記事では、軽さ、錆びにくさ、加工のしやすさといったアルミが持つユニークな性質の秘密を解き明かします。

読み終える頃には、なぜアルミが選ばれるのかが明確になり、その驚くべき可能性と賢い活用法が見えてくるはずです。

この記事の監修者

藤原 弘一

1986年(有)藤原鉄工所(現フラスコ)入社、1992年代表取締役就任。
時代のニーズに適合した最新鋭設備と長年蓄積した職人技的加工技術を融合させ、顧客の信頼を築いた会社。

保有資格:司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者、2級小型船舶、4級無線技士

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アルミニウムとは

アルミニウムとは

アルミニウムは、軽くて加工しやすい銀白色の金属です。地球の地殻に存在する元素の中では比較的多く、私たちの身のまわりの製品に広く使われています。その理由は、アルミニウムがもつ優れた性質にあります。

例えば、鉄と比較して重さが約3分の1と軽い点が挙げられます。航空機の機体や自動車の部品に利用され、軽量化による燃費向上に役立ちます。

また、薄い箔や細い線、複雑な形状への加工も容易です。食品包装用のアルミホイルや飲料用のアルミ缶が代表的な製品です。

空気中で表面に自然と緻密な酸化皮膜をつくり、内部がさびるのを防ぐ性質もあります。建物の窓枠(サッシ)や台所の調理器具にも、この耐食性が活かされています。

さらに、少ないエネルギーで効率よくリサイクルできる点も特徴です。

このようにアルミニウムは、軽さ、加工のしやすさ、耐食性、リサイクル性など、多くの利点をもちあわせているため、多様な分野で活用される基礎素材です。

関連記事:【9割が知らない】アルミニウムの特徴10選|使用する際の注意点も解説

アルミニウムの性質

アルミニウムの性質

アルミニウムの性質は主に以下のとおりです。

  • サビにくい
  • 熱を通しやすい
  • 電気を通しやすい
  • 毒性がない
  • 加工性

順番に解説します。

サビにくい

アルミは鉄に次ぐ重要な金属材料として、様々な製品に使われています。広く利用される理由の一つが、優れた耐食性です。

アルミは空気中の酸素と反応しやすく、表面に自然と薄い酸化膜ができます。この厚さ0.2ミクロンほどの膜がバリアとなり、腐食の進行を防ぐのです。

なお、不純物が少ない純粋なアルミほど、耐食性はより高くなる性質があります。

熱を通しやすい

アルミは熱をよく通す金属としても知られます。熱伝導性の高さでは銅も有名ですが、アルミの方が安価です。このため、銅の代替材料として用いられるケースも少なくありません。

熱交換器や放熱板(ヒートシンク)などが、その代表的な用途と言えるでしょう。

電気を通しやすい

アルミのもう一つの特徴は、電気をよく通すことです。電気伝導度は銅の6割程度ですが、鉄の約3倍にもなります。

この特性から、送電線として利用される場合があるのです。その際には、強度を向上させたアルミ合金を用いるのが一般的でしょう。

毒性がない

アルミは毒性がないため、非常に扱いやすい金属です。地球の表面近くで最も豊富な金属であり、土壌や空気中など、どこにでも存在します。

人体にとって無害とされているのです。もし口から摂取しても、約99%はそのまま排出されるでしょう。これまで健康被害の報告もないため、様々な製品に安心して利用できます。人がよく触れる製品や部品の材料としても、適していると言えます。

加工性

アルミニウムは「塑性加工性」に優れる金属です。これは、比較的低い温度で柔らかくなり、形を変えやすい性質を意味します。熱を加えることで、様々な加工が可能となるのです。

具体例としては、鍛造(叩いて形を作る)、圧延(圧力をかけて平らにする)、押出し(金型を通して押し出す)、引っ張り(引っ張って細くする)、曲げ(曲げて形を変える)といった方法が挙げられます。

この加工性の高さと設計自由度の大きさから、幅広い用途で活躍する素材と言えるでしょう。

アルミニウム加工の注意点

アルミニウム加工の注意点

費用

アルミは鉄などの金属と比べると、コストが高くなる傾向にあります。特に大きな製品を作る場合、費用が他の金属より高額になる点に注意が必要でしょう。

軽量性や耐食性といったアルミの利点をふまえ、材料として使うか検討することが大切です。

剛性の不足

強度という点では、アルミは鉄やステンレスに劣る場合があります。大きな負荷がかかる部品や構造物には、不向きなケースもあるでしょう。

そのため、用途をよく考えて材料を選ぶことが重要になります。

アルミニウムの用途【表で解説!】

アルミニウムの用途【表で解説!】

アルミニウムの主な用途は以下のとおりです。

アルミニウムの用途

アルミニウムは、軽量性、耐食性、加工性、導電性、熱伝導性、リサイクル性など、多くの優れた特性を持つ金属です。地球の地殻を構成する元素の中で、酸素、ケイ素に次いで3番目に多く存在し、金属としては最も多く存在します。これらの特性と豊富さから、私たちの身の回りの様々な製品や産業分野で広く活用されています。以下に、アルミニウムの主な用途を分野別にまとめました。

アルミニウムの主な用途

分野具体的な用途例主な特性の活用例
輸送機器航空機(機体、部品)、自動車(ボディパネル、エンジン部品、ホイール)、鉄道車両、船舶、自転車軽量性、強度、耐食性、加工性
建築・土木ビル用サッシ、ドア、カーテンウォール、屋根材、外壁材、構造材、橋梁、防音壁、道路標識軽量性、耐食性、加工性、意匠性(着色アルマイトなど)
容器・包装飲料缶、食品缶、アルミ箔(ホイル)、レトルトパウチ、医薬品包装、チューブ容器、ボトルキャップ軽量性、耐食性、遮光性、無毒性、加工性、リサイクル性
電気・電子機器送電線、配電線、モーター部品、コンデンサ、ヒートシンク(放熱板)、各種筐体(PC、スマホ等)導電性、熱伝導性、軽量性、放熱性、加工性
日用品・家庭用品鍋、やかん、フライパンなどの調理器具、食器、家具、建具、スポーツ用品(ラケット等)熱伝導性、軽量性、耐食性、無毒性、加工性、意匠性
産業機械・一般機械各種機械部品、装置部品、熱交換器、タンク類、印刷版軽量性、強度、耐食性、熱伝導性、加工性
その他反射板(照明、暖房器具)、顔料(塗料)、脱酸剤(製鉄)、硬貨反射性、化学的特性、軽量性

このように、アルミニウムはその優れた特性を活かし、航空宇宙から日々の暮らしに至るまで、非常に幅広い分野で不可欠な素材として利用されています。特に、軽量であることは輸送機器の燃費向上や建築物の耐震性向上に貢献し、高いリサイクル性は持続可能な社会の実現に向けた重要な要素となっています。技術の進歩とともに、今後も新たな用途が開発されていくことが期待される金属です。

まとめ

アルミニウムは、多くの産業分野で活躍する非常に優れた金属材料です。

最大の特長はその軽さ(比重は鉄の約1/3)であり、輸送機器の燃費向上などに不可欠です。

また、塑性加工性に優れ、押出しや圧延などで複雑な形状を容易に作れるため、設計の自由度が高い点も魅力です。表面に自然に形成される緻密な酸化皮膜により自己防錆力(耐食性)が高いため、屋外使用や水回りにも適しています。

さらに、熱や電気をよく通し、人体に無害であることから、調理器具から電材まで幅広く利用されます。ただし、コストが鉄鋼材より高く、剛性(変形しにくさ)や強度が低いという側面もあるため、構造部材などへ適用する際は強度計算やコスト評価が重要になります。これらの特性を総合的に理解し、用途に応じて最適な材料を選定することが、アルミニウムを有効活用する鍵となります。

株式会社フラスコでは、昭和48年の創業依頼、一般産業用機械部品の設計・製作・組立をはじめ、チタンやタングステン、ジルコニウムなどの金属加工を行なってきました。

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