イットリウムとは?特徴・用途・注目理由までわかりやすく解説
「イットリウムって何に使われているの?」
「レアアースって聞くけど、イットリウムもそのひとつなの?」
こういった疑問に答える記事です。
この記事でわかること
- イットリウムの基本情報と特徴
- イットリウムが活用されている主な用途
- 注目される理由と将来性
イットリウムは、スマートフォンから医療機器、電気自動車まで幅広く使われている金属です。
見た目は銀白色ですが、その用途は非常に多彩で、ハイテク社会を支える存在といえます。
スマホの蛍光体、がん治療用の放射性粒子、エンジンの耐熱部品など、意外と身近な場面でも活用されていますよね?
この記事を読むことで、イットリウムの役割や重要性がスッキリ理解できるようになります。
身近にあるのに知られていない素材、イットリウムの世界をのぞいてみましょう。
最後まで読んでみてください。
この記事の監修者

藤原 弘一
1986年(有)藤原鉄工所(現フラスコ)入社、1992年代表取締役就任。
時代のニーズに適合した最新鋭設備と長年蓄積した職人技的加工技術を融合させ、顧客の信頼を築いた会社。
保有資格:司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者、2級小型船舶、4級無線技士

目次
イットリウムとは

イットリウム(Yttrium)は、元素記号Y、原子番号39の金属元素です。
見た目は銀白色で、レアアース(希土類元素)の一種として知られています。
自然界においては純粋な形では存在せず、他の鉱物と一緒に含まれた状態で産出されます。特に、ジルコニウムや他のレアアースと共に、花崗岩に関連するペグマタイトと呼ばれる岩石中に多く含まれています。
イットリウムの用途

イットリウムは、その独特な特性によってさまざまな一般的用途に広く利用されるようになってきました。
とりわけ注目されるのがエレクトロニクス分野での活用です。
LEDやフラットパネルディスプレイの製造において不可欠な材料であり、イットリウムを含む蛍光体は紫外線を可視光へと変換し、画面の色再現性や発光効率の向上に寄与しています。
このような照明・映像技術に加えて、イットリウムは高温超伝導材料の構成要素としても利用されています。
酸化物構造を安定させる性質があり、MRI(磁気共鳴画像診断装置)などの高度医療機器に用いられる超伝導体の開発において欠かせません。また、高い融点と熱的安定性を活かし、航空機や自動車エンジン部品などの耐熱合金にも用いられています。
さらに、レーザー分野においてもイットリウムは重要です。中でもイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)レーザーは高い出力と安定性を誇り、工業用の精密加工から医療手術まで幅広い分野で利用されています。
このように、イットリウムの応用範囲は科学技術の進展とともに拡大しており、今後も新しい可能性が期待される元素のひとつです。
イットリウムの用途とは?

イットリウムは、工業・医療・電子機器など多分野で使われる金属です。蛍光体や超伝導体、がん治療用の薬剤、スマートフォンの部品などに活用されています。
工業用途(蛍光体、セラミック、超伝導体など)
イットリウムは、工業製品の素材として広く使われています。理由は、他の金属にはない特有の安定性や機能を持っているからです。
具体的には、赤色の蛍光体に使われる「イットリウム・ユーロピウム酸化物」があります。これは、蛍光灯やテレビの画面などで鮮やかな赤色を再現するのに不可欠です。また、イットリウムを加えたセラミックは耐熱性と強度が高く、ジェットエンジンや高温環境で使う部品に使われています。
さらに、イットリウム系の超伝導体は、電力損失を限りなくゼロに近づける材料として、電力設備や医療機器の開発にも導入が進んでいます。
これらの特徴から、イットリウムは工業分野で高い評価を受けています。
医療分野での活用(がん治療、MRI造影剤)
イットリウムは、医療の現場でも活躍しています。がん治療や画像診断に応用できる特性を持っているためです。
代表的な例が、イットリウム90を使った放射線治療です。肝臓がんなどの腫瘍に対して、血管からイットリウム90を含む小さな球体を注入し、がん細胞を内部から直接攻撃します。副作用が比較的少なく、手術が難しい患者への選択肢として注目されています。
また、MRI検査で使われる造影剤にもイットリウム化合物が利用されることがあります。これは、より鮮明な画像を得るために使われ、早期発見や正確な診断を助けます。
こうした特徴から、イットリウムは現代医療において非常に価値の高い金属のひとつです。
ハイテク製品への応用(スマホ、LED、EVモーター)
イットリウムは、身近なハイテク機器にも組み込まれています。高機能な素材として、性能を引き上げる役割を果たしているからです。
例えば、スマートフォンのディスプレイには、イットリウムを使った蛍光体が含まれています。これにより、発色が美しく、バッテリー効率も向上します。LEDライトにも同様の理由で使われ、長寿命かつ省エネルギーな照明の実現に貢献しています。
さらに、電気自動車のモーターに使われる「ネオジム磁石」には、耐熱性を高める目的でイットリウムが添加されます。これによって、モーター性能が安定し、高温環境でも安全に走行できます。
このように、イットリウムは現代のハイテク社会を支える不可欠な素材になっています。
イットリウムに関するよくある質問(FAQ)

イットリウムに関しては、健康への影響や実用例、注目される理由など、初めて知る人が気になる疑問が多くあります。ここでは特に多く聞かれる3つの質問について、わかりやすく解説します。
イットリウムは人体に有害?
イットリウムは大量に吸い込んだり、長期間にわたり体内に蓄積された場合、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
その理由は、イットリウムが一部の化合物として吸入された場合、肺や肝臓などにダメージを与える恐れがあるからです。粉末状の酸化イットリウムを作業現場で扱う際には、粉塵を吸わないように防護が必要です。
例えば、イットリウムを含む蛍光体を製造する現場では、防塵マスクや換気装置の設置が義務付けられています。こうした管理がない状態で長時間作業を行えば、慢性的な呼吸器障害につながるリスクがあります。
したがって、通常の製品使用での接触であれば問題ありませんが、製造や研究の場では安全対策を徹底する必要があります。
イットリウム磁石とは何?
イットリウム磁石とは、イットリウムと鉄酸化物を組み合わせて作られた「イットリウム鉄ガーネット磁石(YIG)」を指します。
この磁石が注目される理由は、高周波特性に優れ、電波の制御に活用できるという特徴を持っているからです。YIG磁石は、マイクロ波や高周波回路においてフィルターや共振器として使われています。
例えば、通信衛星のアンテナ内部では、YIG磁石が使用されており、ノイズを減らし信号の精度を高める役割を果たしています。
このように、イットリウム磁石は一般的な永久磁石とは異なり、電子通信分野で非常に重要な役割を担っています。
なぜイットリウムは注目されているの?
イットリウムが注目されているのは、現代の技術製品に欠かせない特性を持っているからです。
その理由は、イットリウムが高い熱安定性や電気特性を持ち、様々な最先端分野で役立っているためです。特に、スマートフォン、電気自動車、医療機器などでの利用が広がっています。
例えば、がん治療ではイットリウム90という放射性同位体が放射線治療に使われており、肝臓がんの内部照射に有効です。また、酸化イットリウムは高温にも耐えるため、セラミック材料として航空機のエンジン部品にも使われています。
このように、イットリウムは社会インフラと最先端医療の両方に貢献していることから、資源としての注目度が高まっています。
まとめ
最後にもう一度、イットリウムについてのポイントを整理しておきましょう。
- イットリウムは原子番号39、元素記号Yの銀白色の金属で、レアアースの一種
- 自然界では単体で見つからず、ペグマタイトなどの鉱物中に含まれる
- 蛍光体、超伝導体、YAGレーザーなど幅広い分野で活用されている
- 医療分野ではがん治療やMRI造影剤としての役割もある
- スマートフォンやEVモーターなどのハイテク製品にも不可欠な素材
イットリウムは一見なじみのない元素かもしれませんが、実は私たちの生活や最先端技術の裏側で重要な役割を果たしています。身近な製品にも使われているという視点で、ぜひ一度、自分の周囲に目を向けてみましょう。
これからの社会や技術の発展を支える素材として、イットリウムはますます重要性を増していくはずです。この記事が、イットリウムへの理解を深めるきっかけになればうれしいです。
株式会社フラスコでは、昭和48年の創業依頼、一般産業用機械部品の設計・製作・組立をはじめ、チタンやタングステン、ジルコニウムなどの金属加工を行なってきました。
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