【保存版】レアメタルの加工方法|種類や用途についても詳しく解説
「レアメタルの加工方法が知りたい」
「レアメタルってどんな種類があるのかな?」
などとお考えではありませんか?
本記事では、レアメタルの加工方法と併せて、レアメタルの種類や用途について解説します。
最後まで読むと、レアメタルの加工方法がわかり、加工依頼ができます。
この記事の監修者
藤原 弘一
1986年(有)藤原鉄工所(現フラスコ)入社、1992年代表取締役就任。
時代のニーズに適合した最新鋭設備と長年蓄積した職人技的加工技術を融合させ、顧客の信頼を築いた会社。
保有資格:司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者、2級小型船舶、4級無線技士
目次
レアメタルとは
レアメタルは、その希少性と高度な技術産業での必要性から、近年ますます重要性を増しています。
これらの金属は、電気自動車(EV)の製造、特にモーターやバッテリー部品に不可欠であり、その供給確保は産業界の大きな挑戦です。
さらに、レアメタルはハイテク製品の幅広い範囲にわたって使用され、産業進化の鍵を握る要素となっています。
これらの金属の産出は特定の国に集中しており、そのために国際的な緊張を引き起こすことがあります。
レアメタルとは異なり、レアアース(希土類元素)はレアメタルの一部であり、これら31種類の鉱物の中の特定のグループを指します。
この区別は、これらの素材が産業技術に与える影響を理解する上で重要です。
金属はその用途に応じてさまざまに分類されます。「ベースメタル」として知られる鉄、銅、アルミニウムなどは、その豊富な生産量と幅広い利用で知られています。
一方で、「貴金属」には金、銀、プラチナなど、耐久性と希少価値が高い8つの元素が含まれます。
レアメタルは、これらのカテゴリから別のグループとして区分され、技術革新と進歩を支える上で不可欠な資源として位置づけられています。
この文脈では、レアメタルの持続可能な供給とその戦略的重要性は、将来のテクノロジーと産業発展の基盤となります。
そのため、これらの資源に対する国際的な競争と協力は、経済的、環境的、政治的な観点からも重要な焦点となっています。
レアメタルの加工方法
レアメタルの加工方法は、その物理的・化学的性質に大きく依存します。
レアメタルは、通常、特定の高度な用途でその独特な性質が求められるため、加工過程でもそれらの性質を損なわないような技術が必要とされます。
以下に、レアメタルの加工に関する一般的な方法とその特徴を紹介します。
- 物理的加工方法
- 化学的加工方法
順番に解説します。
物理的加工方法
物理的加工方法は以下のとおりです。
- 圧延
- 押出し
- 鍛造
圧延
レアメタルを一定の厚さのシートや板に加工する方法です。熱を加えながら圧力を用いて金属を伸ばし、所望の形状にします。
押出し
固体のレアメタルを高圧下で型通りに押し出し、長い断面を持つ材料を作成します。アルミニウムやチタンなどの軽量で強度が必要な用途に使用されます。
鍛造
熱を加えたレアメタルを圧力で押し形を変える加工方法です。非常に強度の高い部品を製造するのに適しています。
化学的加工方法
化学的加工方法は以下のとおりです。
- 電解精錬
- 化学気相成長 (CVD)
- 物理気相成長 (PVD)
- 粉末冶金
電解精錬
電解を利用してレアメタルを精錬し、不純物を除去する方法です。高純度のレアメタルを得られます。
化学気相成長 (CVD)
高温下で化学反応を利用して、レアメタルを含むガスから純粋な金属や金属膜を成長させる技術です。半導体製造などに使用されます。
物理気相成長 (PVD)
蒸着やスパッタリングなどの方法で、レアメタルを真空中で薄膜として成長させる技術です。装飾的な膜や耐摩耗性の向上に利用されます。
冶金
レアメタルの粉末を圧縮して成形し、高温で焼結させることで部品を製造する方法です。複雑な形状や非常に細かい構造を持つ部品に適しています。
レアメタルの加工技術は、それぞれの金属の物理的・化学的性質に応じて高度に特化しており、常に新しい方法が研究・開発されています。これらの技術の進化により、レアメタルはさまざまな先進的な産業での利用が拡大しています。
レアメタルの種類
レアメタルには、リチウム、ベリリウム、ホウ素、希土類、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、ガリウム、ゲルマニウム、セレン、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、バラジウム、インジウム、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、白金、タリウム、ビスマスの合計31種類あります。
レアメタルの用途
レアメタルの主な用途は以下のとおりです。
次世代自動車(EV・PHV・HV)
ネオジム、ジスプロシウム(駆動用モーターの磁石)
リチウム、コバルト、ニッケル(バッテリーの正極材)
家電(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)
ネオジム、ジスプロシウム(エアコンのコンプレッサーやドラム式
洗濯機のモーター内の磁石)
PC
ネオジム、ジスプロシウム(HDDの磁石)
コバルト(2次電池)
電気・電子機器全般
タンタル(基板のタンタルコンデンサー)
超硬工具
タングステン(超硬工具、刃先交換工具)
携帯電話
コバルト(2次電池)、タンタル(基板のコンデンサー)
レアメタルの特性
レアメタル、または希少金属、はその希少性、特殊な化学的および物理的特性のために産業界で高く評価されています。これらの金属は、先進技術、電子機器、再生可能エネルギー、航空宇宙、自動車産業など、多岐にわたる用途で不可欠な役割を果たしています。レアメタルの特性には以下のようなものがあります。
- 高い耐腐食性
- 優れた電気・熱伝導性
- 特殊な磁性
- 独特の光学特性
- 高温での安定性
- 触媒としての活性
高い耐腐食性
多くのレアメタルは、極めて高い耐腐食性を持っており、厳しい環境条件下でも性能を維持できるため、海洋探査装置や医療機器などの材料として選ばれます。
優れた電気・熱伝導性
レアメタルは、電気や熱を効率的に伝達できるため、電子機器の配線材料や放熱材料として使用されます。銀や銅は特に電気伝導性が高いことで知られていますが、一部のレアメタルも同様の特性を持っています。
特殊な磁性
ネオジムやサマリウムなどのレアアース元素は、強力な永久磁石を作るのに使用されます。これらの磁石は、ハードディスクドライブ、電気自動車のモーター、風力タービンのジェネレーターなど、多くのハイテク製品に不可欠です。
独特の光学特性
いくつかのレアメタルは、独特の色や発光特性を持っており、LEDの発光材料やレーザー技術に利用されます。たとえば、ガリウムは青色LEDの製造に不可欠な材料です。
高温での安定性
レアメタルは高温でも安定した性能を維持できるため、航空宇宙産業や工業炉などの高温環境で使用される部品の材料として選ばれます。
触媒としての活性
プラチナやパラジウムなどのレアメタルは、化学反応を加速する優れた触媒として機能します。これらは自動車の排気ガス浄化システムや化学工業で広く使用されています。
これらの特性は、レアメタルが現代の技術と産業でなくてはならない要素である理由を説明しています。それぞれのレアメタルは独自の特性を持ち、特定の用途に最適化されています。
まとめ【レアメタルの加工方法を理解しましょう】
今回は、レアメタルの加工方法と併せて、レアメタルの種類や用途について解説しました。
レアメタルの加工方法は以下のとおりです。
物理的加工方法
- 圧延
- 押出し
- 鍛造
化学的加工方法
- 電解精錬
- 化学気相成長 (CVD)
- 物理気相成長 (PVD)
- 粉末冶金
それぞれ確認してから、加工依頼しましょう。
株式会社フラスコでは、昭和48年の創業依頼、一般産業用機械部品の設計・製作・組立をはじめ、レアメタル・チタンやタングステン、ジルコニウムなどの金属加工を行なってきました。
時代にニーズに合わせ、最新鋭の設備と創業から約40年間培った、難削加工を可能とする職人の加工技術で様々な製品を生み出しています。
他社には負けない、業界トップクラスの技術があります。
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