【保存版】プラスチックの種類|それぞれの用途や特徴についても解説


「プラスチックの種類が知りたい」

「プラスチックって種類によってどのような特徴があるのかな」

などとお考えではありませんか?

本記事では、プラスチックの種類と併せて、それぞれの特徴について解説します。

最後まで読むと、プラスチックの特徴がわかり、納得して加工依頼できます。

この記事の監修者

藤原 弘一

1986年(有)藤原鉄工所(現フラスコ)入社、1992年代表取締役就任。
時代のニーズに適合した最新鋭設備と長年蓄積した職人技的加工技術を融合させ、顧客の信頼を築いた会社。

保有資格:司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者、2級小型船舶、4級無線技士

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プラスチックとは

プラスチックとは

プラスチックは、一般的に「合成樹脂」として知られています。

これは人工的に作られた樹脂であり、元来の樹脂とは異なります。

天然の樹脂は樹木から分泌される樹液が固まったものであり、松脂や柿渋などがその例です。

これらの天然樹脂は水に溶けにくく、一度固まると安定し形を保持します。

そのため、古くから塗料や接着剤、充填材などとして広く利用されてきました。

プラスチックは、このような性質を持つ樹脂を元にして作られていますが、石油やその他の原料を使用して化学的に合成されます。

その結果、様々な形状や用途に適した素材が得られるため、日用品や家具、玩具、自動車など様々な製品や部品に広く利用されています。

プラスチックの歴史

プラスチックは、熱や圧力などの人工的な成形加工が施された高分子化合物であり、ギリシャ語の「plastikos(可塑性・塑性)」から名付けられました。

この言葉は元々、物質の形を自由に変えられる性質を表しています。

現代では、プラスチックはさまざまな製品に利用されており、私たちの生活に不可欠な素材となっています。

【大枠】プラスチックの種類

【大枠】プラスチックの種類

プラスチックは、一般的に「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」の二つに分類されます。

熱可塑性樹脂は、加熱によって溶解し、冷却すると再び固まる性質を持っています。

一方、熱硬化性樹脂は加熱すると一度固まり、その後は再び加熱しても形を変えられません。

主に使用されるのは熱可塑性樹脂であり、この中でも「汎用プラスチック」「汎用エンジニアリングプラスチック(汎用エンプラ)」「スーパーエンプラ」に区分されます。

汎用プラスチックは耐熱温度が100℃以下であり、機械的な強度はそれほど高くありませんが、一般的な日用品に使用されています。

ポリエチレンやポリプロピレンが代表的な素材です。

汎用エンプラは、耐熱温度が100℃以上であり、より厳しい環境での使用に適しています。

ポリアミド樹脂はその一例であり、防弾チョッキやヘルメットの素材として使用されています。

スーパーエンプラは、耐熱温度が150℃以上であり、高温環境での使用に適しています。

これらの素材は高度な工業製品や自動車部品などに利用されています。

近年、生分解性プラスチックが注目されています。通常のプラスチックとは異なり、微生物によって分解されるため、環境への負荷が低いとされています。

関連記事:【保存版】プラスチックの加工方法10選|注意するべきポイントも解説

プラスチックの種類

プラスチックの種類

プラスチックの種類は以下のとおりです。

  • 汎用プラスチックの種類
  • 汎用エンジニアリングプラスチックの種類
  • スーパーエンジニアリングプラスチックの種類

順番に解説します。

汎用プラスチックの種類

汎用プラスチックの種類は以下のとおりです。

  • PP(ポリプロピレン)
  • PE(ポリエチレン)
  • PS(ポリスチレン)
  • PVC(ポリ塩化ビニル)
  • ABS(アクリロニトリルーブタジエンースチレン樹脂)

順番に解説します。

PP(ポリプロピレン)

プラスチックの中で最も軽量で、大量生産に適した熱可塑性樹脂があります。

その汎用性の高さから、射出成形、ブロー成形、真空成形、そして3Dプリンターなど、多岐にわたる加工法に対応できます。

PE(ポリエチレン)

ビニール袋や食品保存容器、お菓子の包装紙など、日常生活で広く使用されている製品は、安価で大量生産に向いています。

また、これらの製品は防水性や耐薬品性に優れており、アルコールやクエン酸、アンモニア、次亜塩素酸、灯油などの影響を受けず、洗剤やアルコール消毒液の容器としても活躍しています。

PS(ポリスチレン)

経済的で加工しやすく、大量生産に適しています。

透明性や色付けの容易さが特長であり、透明な容器やシート、カップ、発泡スチロール、野菜や魚介類の物流用コンテナなどに広く利用されています。

ただし、燃焼しやすく難燃性が低く、耐油性や耐薬品性には欠けるため、熱や油によって溶ける可能性があります。

射出成形、ブロー成形、真空成形、押出成形など、ほぼすべての成形方法に適しています。

PVC(ポリ塩化ビニル)

一般的には「塩ビ」として知られ、耐久性や耐薬品性、難燃性、そして加工性の高さが特徴です。

切削や樹脂溶接、接着加工に加え、曲げ加工も可能ですが、耐熱温度が低いため、特に低温下では衝撃に弱く、壊れやすいという欠点があります。

水道管、窓枠、デッキなどの建材や資材、電力線、自動車、家電製品、雑貨など、幅広い用途に利用されています。

ABS(アクリロニトリルーブタジエンースチレン樹脂)

熱可塑性樹脂は、用途に応じて柔軟に加工できる素材であり、特に射出成形の素材として幅広く使用されています。

射出成形、真空成形、切削、溶着、メッキ加工、塗装、そして3Dプリンターなど、さまざまな加工法に対応可能です。

また、硬度が高く一般的な樹脂よりも衝撃に強いのが特徴です。

一方で、耐候性や耐薬品性には劣り、有機溶剤による劣化の恐れがあります。

この素材は、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの家電製品、自動車部品、スポーツ用品、楽器など、さまざまな製品に活用されています。

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汎用エンジニアリングプラスチックの種類

汎用エンジニアリングプラスチックの種類は以下のとおりです。

  • PA(ポリアミド)
  • POM(ポリアセタール)
  • PC(ポリカーボネート)
  • m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)

順番に解説します。

PA(ポリアミド)

一般的には「ナイロン」として知られる樹脂は、合成繊維として広く使用されています。

主要なポリアミドは、PA6と改良版のPA66です。ナイロンの名前には意味があり、最初の数字はアミン構造の炭素数を示し、次の数字は有機酸構造の中の炭素数を表しています。

POM(ポリアセタール)

ポリアセタールは、ホルマリンを原料にしています。

ホモポリマーは、高純度のホルムアルデヒドを触媒で重合させて作られており、成形時の熱安定性に優れています。

ただし、ポリアセタールは耐候性が低く、紫外線劣化による変色や変形が生じるため、屋外使用の場合は安定剤を添加する必要があります。

PC(ポリカーボネート)

このプラスチックは、耐衝撃性が最高レベルであり、耐候性、透明性、加工性が優れています。

また、火元を離すと自然に炎が消える自己消火性を持ち、吸水性も低いため、寸法精度が安定しています。そのため、カメラレンズや眼鏡などに広く使用されています。

m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)

このプラスチックは一般的にポリエーテルやポリキシレノールとしても知られています。

比重が1.04〜1.09と軽量であり、耐熱温度は150度、耐冷温度は-150度で、非常に広い温度範囲に耐えられます。

また、優れた電気絶縁性を持ち、アダプターやコネクターなどの電子機器に広く使用されています。

スーパーエンジニアリングプラスチックの種類

スーパーエンジニアリングプラスチックの種類は以下のとおりです。

  • PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)
  • PPS(ポリフェニレンサルファイド)
  • LCP(液晶ポリマー)

順番に解説します。

PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)

この素材は高い耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性、耐スチーム性、耐放射線性が特長であり、特に耐熱性は熱可塑性樹脂の中でも際立っています。

さらに、ガラス繊維を混ぜることで強度を向上させられます。

一方で、高価な点が欠点として挙げられます。この素材はリテーナーリング、自動車のアクチュエーター、クラッチング、航空機の部品、ポンプなど幅広い用途に活用されています。

PPS(ポリフェニレンサルファイド)

この素材は耐熱性、難燃性、耐薬品性、絶縁性に優れており、多くの場合、30~40%のガラス繊維を混ぜて強度を向上させたものが使用されています。

一方で、耐衝撃性が低く、割れやすいという欠点や、耐摩耗性の低さがあります。

この素材は、主に自動車のエンジンルーム内の部品やヘアドライヤー、電子レンジなどに広く使用されています。

LCP(液晶ポリマー)

この素材は、液晶ポリマーや液晶ポリエステルとしても知られています。

液晶性を有するポリマーであり、優れた機械的強度、耐熱性、難燃性を備えています。

一般的には、コネクターやボビンなどの製品に使用されています。

まとめ【プラスチックの種類はさまざま】

今回は、プラスチックの種類と併せて、それぞれの特徴について解説しました。

プラスチックの種類は以下のとおりです。

  • 汎用プラスチックの種類
  • 汎用エンジニアリングプラスチックの種類
  • スーパーエンジニアリングプラスチックの種類

それぞれの特徴や用途を理解しましょう。

株式会社フラスコでは、昭和48年の創業依頼、一般産業用機械部品の設計・製作・組立をはじめ、プラスチック・チタンやタングステン、ジルコニウムなどの金属加工を行なってきました。

時代にニーズに合わせ、最新鋭の設備と創業から約40年間培った、難削加工を可能とする職人の加工技術で様々な製品を生み出しています。

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