プラスチックの特徴3選|メリット・デメリットについても解説


「プラスチックの特徴が知りたい」

「プラスチックのメリットってなんだろう」

などとお考えではありませんか?

本記事では、プラスチックの特徴と併せて、プラスチックのメリット・デメリットについて解説します。

最後まで読むと、プラスチックの特徴がわかり、納得したうえで加工依頼ができます。

この記事の監修者

藤原 弘一

1986年(有)藤原鉄工所(現フラスコ)入社、1992年代表取締役就任。
時代のニーズに適合した最新鋭設備と長年蓄積した職人技的加工技術を融合させ、顧客の信頼を築いた会社。

保有資格:司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者、2級小型船舶、4級無線技士

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そもそもプラスチックとは

そもそもプラスチックとは

プラスチックは別名、「合成樹脂」とも呼ばれています。

要約すると、合成された樹脂ということになります。

樹脂とは樹木から分泌される樹液が固まった物質です。

松脂、柿渋、漆などがその代表です。

これらの樹脂は水に溶けにくく、固まった後には安定し、形を保持する性質があります。
昔から塗料や接着剤、充填材などとして使われていました。

使い勝手の高い樹脂を材料として幅広く使うため、石油などを原料として化学的に合成したのが「合成樹脂」であり、プラスチックはその一部です。

プラスチックの(Plastic)の語源は、ギリシャ語の形容詞「plastikos(可塑性のある)」といわれています。
一般的にプラスチックは「主に石油(ナフサ)に由来する高分子物質(主に合成樹脂)を主原料とした可塑性の物質」とされています。

関連記事:【保存版】プラスチックの加工方法10選|注意するべきポイントも解説

プラスチックの特徴3選

プラスチックの特徴3選

プラスチックの特徴は以下のとおりです。

  • 大量成形ができる
  • 種類が豊富
  • サビない・腐らない

順番に解説します。

【特徴①】大量成形ができる

プラスチックは熱を加えると、簡単に溶け、自由に変形する性質をもっています。

それらの性質を利用すると同形状の成形品の大量生産ができます。

大量成形ができるのは、プラスチックの特徴でありメリットの1つといえます。

【特徴②】種類が豊富

プラスチックはさまざまな種類があることが特徴です。

具体的には、耐熱性が高い樹脂や、金属のように硬い樹脂、軽くて丈夫な樹脂などさまざまな特性を持っています。

それらの特性を活かして、私たちの生活のあらゆるところでプラスチックは活躍しています。

【特徴③】サビない・腐らない

プラスチックは、金属のようにサビたり、木材のように腐ったりしない素材です。

また、耐薬品性が高く、使用場所を選べば金属をもしのぐ材料です。

プラスチックのメリット3選

プラスチックのメリット3選

プラスチックのメリットは以下のとおりです。

  • 性質の幅が広い
  • 軽くて強い
  • 電気絶縁性に優れている

順番に解説します。

【メリット①】性質の幅が広い

軟らかい性質のものから、硬い性質のものまで、幅広い性質のプラスチックがあります。

【メリット②】軽くて強い

軽くて強いのはプラスチックのメリットの1つです。

金属や陶磁器などに比べて比重が小さいので、軽くて強い製品を作れます。

【メリット③】電気絶縁性に優れている

電気絶縁性に優れているのはプラスチックのメリットです。

プラスチックは良好な絶縁体で、ほとんどの電化製品でプラスチック部品が使用されています。

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プラスチックのデメリット3選

プラスチックのデメリット3選

プラスチックのデメリットは以下のとおりです。

  • 傷がつきやすい
  • ホコリがつきやすい
  • 溶剤に弱いものがある

順番に解説します。

【デメリット①】傷がつきやすい

金属や陶磁器に比べ、表面がやわらかいため、傷がつきやすいという性質があります。

【デメリット②】ホコリがつきやすい

プラスチックは金属や陶磁器に比べ、静電気が起きやすいです。

そのため、ホコリが付着し汚れが目立つことがあります。

【デメリット③】溶剤に弱いものがある

溶剤に弱いことがプラスチックの短所です。

種類によって、ベンジン、シンナー、アルコールなどに溶けたり変色することがあります。

関連記事:【保存版】プラスチックの用途|日常用途と産業用途にわけて詳しく解説

プラスチックの種類

プラスチックの種類

プラスチックの種類は以下のとおりです。

  • PE(ポリエチレン)
  • PP(ポリプロピレン)
  • PS(ポリスチレン)
  • PMMA(ポリメチルメタクリレート)
  • PVC(ポリ塩化ビニル)
  • ABS
  • PET(ポリエチレンテレフタレート)

順番に解説します。

【種類①】PE(ポリエチレン)

PEは原料が安価で成形しやすい特徴があります。

バケツや洗剤容器などのあらゆる用途に使用されています。

PEは密度によって基本的な性質が異なります。

  • 比重0.910〜0.925のものを低密度PE
  • 比重0.926〜0.940を中密度PE
  • 比重0.941〜0.965を高密度PE

このように区別します。

半透明でパラフィンに似た色調であり、燃焼すると、パラフィン臭が発生するのが特徴です。

【種類②】PP(ポリプロピレン)

「PP」はプロピレンガスを原料としたプロピレンの重合体です。

比重が0.91〜0.92と汎用性プラスチックの中で最も小さく軽い素材なのが特徴です。

結晶星で結晶化度が高く、半透明です。

PEは数10万回〜数100万回曲げてもおれないヒンジ効果を持っています。

さらに電気絶縁性・耐薬品性にも優れています。

しかし、耐寒性・耐熱性・耐光性は低く、5度以下の環境では耐衝撃性が低下してしまいます。

【種類③】PS(ポリスチレン)

「PS」は食品容器やおもちゃなど幅広く使用されています。

GP-PS(一般ポリスチレン)とHI-PS(耐衝撃性ポリスチレン)があり、HI-PSには合成ゴムが加えられています。

比重は1.1前後、非結晶性で透明性・成形性・電気絶縁性に優れています。

安価で着色可能なのが利点の1つです。

PSはプラスチックの中でももっとも放射線に対する抵抗力がありますが、機械的強度・耐衝撃性・耐溶剤性はすべてにおいて低いのが短所といえます。

【種類④】PMMA(ポリメチルメタクリレート)

「PMMA」は別名、アクリル樹脂(ポリアクリル酸エステル・ポリメタクリル酸エステルの総称)とも呼ばれています。

メチルメタク酸メチルを過酸化物の触媒で重合して作られます。

  • 透明性
  • 光学特性
  • 耐候性
  • 機械的強度

上の性質が非常に優れています。

表面高度が高く、光線透過率はプラスチックの中で最も優れています。

反対に低いのは、耐衝撃性と耐熱性です。

PMMAは、自動車のテールランプや水族館の水槽窓ガラスなどに使用されています。

【種類⑤】PVC(ポリ塩化ビニル)

「PVC」は、塩化ビニルを過酸化物触媒で重合させて作られます。

可塑剤が有効作用するのが特徴です。

可塑剤とは、ある材料に柔軟性を与えたり、加工をしやすくするために添加する物質のことです。

可塑剤の配合量によって、硬質塩化ビニル・軟質塩化ビニルと区別されます。

軟質塩化ビニルに含まれる可塑剤は0か極めて少ない量です。

非結晶性で、比重は1.4、耐薬品性に優れており、吸湿・透湿度が低く防湿フィルムとして使用されます。

【種類⑥】ABS

「ABS」は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンをグラフト重合法かブレンド法で重合させて作られます。

配合により、性質が異なるのが特徴の1つです。

アクリロニトリルが増えると引っ張り強度・弾性率が、ブタジエンが増えると耐衝撃性が、スチレンが増えると流動性が向上します。

比重は1.01〜1.15で耐候性は高くありません。

メッキグレードがあり化学メッキの密着性に優れています。

【種類⑦】PET(ポリエチレンテレフタレート)

「PET」とは、テレフタル酸とエチレングリコールを重合した飽和ポリエステルの一種です。

結晶化度が高く、繊維・フィルム・ボトルなどに使われています。

PETは以下のことが優れています。

  • 耐熱性
  • 耐摩耗性
  • 耐摩擦性
  • 耐油性

しかし、吸水率・ガス透過性は低いです。

PETを100%使用したペットボトルは1997年に初めて国内に登場しました。

1980年には年間消費量約1万トン、さらにそれから10年後には約12万トンに増え、急激に浸透しました。

プラスチックでできている意外なもの5選

プラスチックでできている意外なもの5選

プラスチックでできている意外なものは以下のとおりです。

  • チューイングガム
  • 化粧品
  • 洗濯用洗剤・柔軟剤
  • スクラブ入り洗顔料・歯磨き粉
  • 紙パック・缶

順番に解説します。

チューイングガム

実はほとんどのチューイングガムは「ポリ酢酸ビニル」という無色透明のプラスチックから作られています。

道端に捨てられたチューイングガムは分解するまで長い時間がかかります。

サポディラという20mほどの巨木の樹液を採集して煮込んだものであり、天然素材だけで作られたチューインガムは今でも販売されています。

化粧品

以下のメイクアップアイテムにはマイクロプラスチックが含まれている可能性があります。

  • 化粧下地
  • 口紅
  • アイシャドウ

マイクロプラスチックには滑り効果があり、化粧下地の伸びを良くするために使用されることがあります。

マイクロプラスチックは光に当たるとキラキラするため、口紅のつやを出すために使用されたり、アイシャドウやマスカラのラメとして用いられることが多いでしょう。

洗濯用洗剤・柔軟剤

芳香剤入りの洗濯用洗剤・柔軟剤には、香りの成分を閉じ込めておく小さなプラスチック製のカプセル、マイクロカプセルが配合されているでしょう。

衣服に付着したマイクロカプセルがゆっくりとはじけていくことで、香りが持続する仕組みです。

スクラブ入り洗顔料・歯磨き粉

「スクラブ剤」というマイクロプラスチックビーズを使用している洗顔料や歯磨き粉が存在します。

あまりに小さいため、下水処理を通り抜けて川や海に流れ出してしまうだけでなく、眼球や歯肉に入り込むこともあります。

紙パック・缶

牛乳やお酒、ジュースが入っている紙パックの両面には、「低密度ポリエチレン」の薄い膜が張ってあります。

プラスチックを使う理由としては、紙だけでは湿気を吸って溶けたり、においが移ったりするリスク回避のために使用しています。

飲料缶や缶詰の内側も、内容物と金属が触れ合わないようにエポキシ樹脂やPETといったプラスチックでコーティングされています。

まとめ【プラスチックの特徴を理解しましょう】

今回は、プラスチックの特徴と併せて、プラスチックのメリット・デメリットについて解説しました。

プラスチックの特徴は以下のとおりです。

  • 大量成形ができる
  • 種類が豊富
  • サビない・腐らない

それぞれ理解しましょう。

株式会社フラスコでは、昭和48年の創業依頼、一般産業用機械部品の設計・製作・組立をはじめ、プラスチック・チタンやタングステン、ジルコニウムなどの金属加工を行なってきました。

時代にニーズに合わせ、最新鋭の設備と創業から約40年間培った、難削加工を可能とする職人の加工技術で様々な製品を生み出しています。

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