FRASCOの礎
今日は 創業当時の工場内に 鎮座しておりますマシンを
ご紹介します。
工作機械という名にふさわしい 風格です。これぞ鋳物製マシンという感じです。
シーェーピングマシン 和名型削り盤
みんなセーパーと呼んでおりました。
名盤には 大日本、名古屋、奥村精機工作所の文字が
右書きで書かれています。
製造番号は探したのですが見つかりませんでした。うちの会社にきて50年・・
その前に30年~40年くらいで 製造されて80年くらいでしょうか。
もしかしたら 軍需工場で 兵器のパーツを作っていたのかもしれません。
この工作機械は ちょうど彫刻刀やノミで木を削るように
刃物が前後運動を繰り返し 金属材料を突いて 削っていきます。
先端の刃の部分(バイトといいます)は職人の手づくりで 平たいものや
鋭く尖った三角のものなど 様々な形状があり 都度取り替えたり 研ぎなおしたりします。
25年前くらいまでは 現役で毎日動いていた様な 記憶です。
このセーパーの特徴は 粗どりの前加工や 熱を持たないので ひずみやすい材質や
形状のモノにはうってつけです。
外観からは見えませんが 素晴らしいメカ機能が搭載されております。
①横、自動送り機構(材料を乗せたテーブルが ギアの目の数の設定で刃物の
1往復の後横移動を繰り返しますので 人が付いていなくても自動で削ることができます)
②早戻りリンク機構 (材料にあたって削る時には大きな力がかかりますのでゆっくり前進し
帰りは何も抵抗がないので早く戻る という 最初見てメカ機構だけで制御されているのには
いたく感動したのを覚えています)
③大きなキー溝加工など得意としますが たまに刃物が負けて折れたり 切り込み量を間違えて
設定したりして機械が衝突したとき 大きな破損に至らない様 部分部分のピンが一定の力で
折れるような構造になっています)
いまほとんどが PCで制御され プログラムで作動する NC機と呼ばれるものですが。
マシン感は たまらなくセーパーの方がありますね。
今でも オイルを挿してやれば 当時と同じ作業ができますが 多数のギアの噛み合う音や
前後運動する部分(摺動面といいます)の音のすごさで ご近所からの苦情間違いなしです。
というわけで 創業当時からの工場には 今でもレトロなでも十分今でも動かせる 機械が残っております。
セーパーの動きと メカニックな音が聞きたい人は いつでもお越しください。
ご案内しますよ。