【9割が知らない】ステンレスとアルミ違い|見分け方を詳しく解説
「この鍋、ステンレス?それともアルミ?」
キッチン用品やDIY素材選びで、見た目がそっくりなステンレスとアルミの違いに迷った経験はありませんか?
「どっちが丈夫?」「軽いのはどっち?」「結局どう見分けるのが確実なの?」そんなあなたの疑問、この記事がスッキリ解決します!
実は、基本的な特徴を知れば、見分け方は意外と簡単!
この記事では、それぞれの決定的な違いから、磁石や重さ、見た目、さらには製品の刻印まで、誰でも確実に判別できる方法を分かりやすく解説します。
もう素材選びで失敗しない!この記事を読めば、それぞれの特性を深く理解し、あなたの用途に最適な素材を自信を持って選べるようになります。
この記事の監修者

藤原 弘一
1986年(有)藤原鉄工所(現フラスコ)入社、1992年代表取締役就任。
時代のニーズに適合した最新鋭設備と長年蓄積した職人技的加工技術を融合させ、顧客の信頼を築いた会社。
保有資格:司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者、2級小型船舶、4級無線技士

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ステンレス・アルミとは?基本的な特徴

比較を始める前に、まずは「ステンレス」と「アルミニウム」がそれぞれどのような金属なのか、基本的な特徴を押さえておきましょう。これらは見た目が似ていることがあっても、その成り立ちや性質は大きく異なります。
ステンレス (Stainless Steel) の基本
ステンレス鋼は、鉄(Fe)を主成分とし、クロム(Cr)やニッケル(Ni)などを意図的に添加して作られた合金鋼です。
「ステン(Stain=さび)」「レス(Less=ない)」という名前が示す通り、非常に錆びにくいという点が最大の特徴です。
これは、主成分の鉄に一定量以上のクロムを混ぜることで、素材表面に「不動態皮膜」と呼ばれる非常に薄く、緻密で安定した保護膜が自動的に形成されるためです。
この膜が錆の原因となる酸素との不要な結合を防ぎ、素材そのものを腐食から守る役割を果たします。
添加する成分の比率により多くの種類が存在し、それぞれ強度や磁性、耐食性のレベルなどが異なります。
アルミニウム (Aluminum) の基本
一方、アルミニウム(元素記号: Al)は、ステンレスのような人工的な合金ではなく、自然界に存在する単体の金属元素です。
ボーキサイトという鉱石を原料として精錬されます。その最も顕著な特徴は、比重が約2.7と非常に軽い点にあります。
これは鉄や銅の約1/3の重さに過ぎず、航空機や自動車部品など、軽量化が重要視される分野で広く採用される大きな理由となっています。
アルミニウムも錆びにくい性質を持ちますが、これは空気中の酸素に触れることで表面に自然と形成される「酸化皮膜」によるものです。
この保護膜は非常に安定しており、もし表面に傷がついても、酸素があればすぐに再生する自己修復能力も持っています。
【比較表】ステンレスとアルミの主な違いが一目でわかる!

ステンレスとアルミニウムは、見た目が似ていることもありますが、特性には大きな違いがあります。どちらの素材を選ぶべきか判断するために、まずは以下の比較表で主な違いを把握しましょう。
比較項目 | ステンレス (Stainless Steel) | アルミニウム (Aluminum) | 補足説明 |
主成分 | 鉄 (Fe) を主とした合金 (Cr, Niなどを含む) | アルミニウム (Al) の単体金属 | ステンレスは合金、アルミは元素 |
重さ (比重) | △ (重い / 約7.9) | ◎ (軽い / 約2.7) | アルミはステンレスの約1/3の重さ |
強度・硬度 | ◎ (高い) | △ (低い ※合金による) | 一般的にステンレスの方が硬く、傷つきにくい |
錆びにくさ (耐食性) | ◎ (非常に錆びにくい) | 〇 (錆びにくい) | どちらも耐食性は高いが、ステンレスの方が優れる場合が多い |
見た目・質感 | 様々な光沢、重厚感 | 白っぽい銀色、軽い質感 | 研磨や表面処理で多様な表現が可能 |
磁性 (磁石につくか) | △ (種類による / SUS304は基本つかない、SUS430はつく) | × (つかない) | アルミは磁石につかない。ステンレスは種類による |
熱伝導率 | △ (比較的低い) | ◎ (高い) | アルミは熱を伝えやすい (鍋、ヒートシンクなど) |
電気伝導率 | △ (比較的低い) | ◎ (高い) | アルミは電気を通しやすい (送電線など) |
加工性 | △ (やや加工しにくい) | ◎ (加工しやすい) | アルミは切断、曲げ、溶接などが容易 |
価格帯 (目安) | △ (比較的高価 ※重量あたり) | 〇 (比較的安価 ※重量あたり) | 材料単価(kgあたり)はアルミが安い傾向。ただし製品や加工により変動 |
ステンレスとアルミの見分け方

キッチン用品やDIYの素材選びで、「これはステンレス?それともアルミ?」と迷う場面はありませんか。見た目がよく似ている両者ですが、簡単なポイントを知っていれば見分けられます。特別な道具を使わない方法も紹介しますので、ぜひご活用ください。
最も簡単!磁石をくっつけてみる
最も手軽に試せるのは、磁石を使う方法でしょう。
方法: お手持ちの磁石を、調べたい金属に近づけてみましょう。冷蔵庫用マグネットなどでも大丈夫です。
結果:磁石がくっつくなら、その金属はステンレス(特にフェライト系など)の可能性が高いと考えられます。
逆に磁石がくっつかない場合は、アルミニウムか、磁石に反応しない種類のステンレス(オーステナイト系など)のいずれかです。
ポイント: この方法はとても簡単ですが、磁石がつかなくてもステンレスの可能性は残る点に注意してください。
重さを比べてみる
アルミニウムの特徴である「軽さ」に注目するのも有効な方法です。
方法: 同じくらいの大きさのステンレス製品とアルミ製品があれば、持ち比べて重さを確かめてください。片方の素材が分かっている物と比較するのも良いかもしれません。
結果: 手に取って明らかに軽いと感じたら、それがアルミニウムでしょう。アルミは同じ体積ならステンレスの約1/3の重さしかありません。
ポイント: ただし、比べる物がない時や形が違いすぎると、判断は難しくなる場合があります。
色味や表面の質感を確認する
見た目や触った感じで判断するには、少し慣れも必要ですが、これもヒントになります。
方法: 金属の色や光沢、表面の触感をよく観察してみましょう。
結果(ステンレス): 一般的にはシャープな輝きがあり、やや冷たい印象を持つことが多いです。ニッケルを含むものは、少し黄色みがかって見える場合もあります。比較的硬質なので、傷つきにくいという特徴が見られます。
結果(アルミニウム): より白っぽい銀色をしており、光沢はステンレスほど強くない傾向です。質感は軽く、触れた時にステンレスほどの冷たさを感じないかもしれません。比較的柔らかいため、表面に細かな傷がつきやすいでしょう。
ポイント: 表面の加工方法で見え方は大きく変化します。あくまで参考程度に考えるのが良さそうです。
製品の刻印を探す
製品によっては、素材を示す刻印が入っていることも考えられます。
方法: 製品の裏側などをチェックして、アルファベットや数字の刻印を探してみてください。
結果:「SUS304」や「18-8」のような表示があれば、それはステンレスです。
一方、「A5052」や「AL」といった刻印ならアルミニウム(またはアルミ合金)を示します。
ポイント: これは最も確実な方法といえますが、すべての製品に刻印があるわけではありません。
まとめ
ステンレスとアルミニウムは、見た目が似ていても全く異なる金属です。
ステンレスは鉄を主成分とし、クロムなどを添加した合金鋼です。最大の特徴は、添加されたクロムが作る不動態皮膜による優れた耐食性(錆びにくさ)です。種類によって強度や磁性も異なりますが、一般的に重く、強度が高い傾向にあります。
一方、アルミニウムは単体金属であり、最大の特徴はその軽さ(鉄の約1/3)です。空気中で自然に酸化皮膜を形成するため、こちらも錆びにくい性質を持ちます。柔らかく加工しやすい反面、ステンレスほどの強度はありません。
株式会社フラスコでは、昭和48年の創業依頼、一般産業用機械部品の設計・製作・組立をはじめ、チタンやタングステン、ジルコニウムなどの金属加工を行なってきました。
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