【解決!】チタンは体に悪いのか?人体への影響も詳しく解説

「チタン製のインプラントって、体に影響はないの?」 「化粧品や日焼け止めに入っている酸化チタンは本当に安全?」

こういった疑問に答える記事です。

この記事でわかる主な内容

  • インプラントやフライパンにおけるチタンの安全性
  • 化粧品に含まれる酸化チタンの皮膚への影響
  • 酸化チタンの粉じん吸入によるリスク

チタンは軽くて丈夫、錆びにくく、体にも優しい安全性の高い金属です。また、酸化チタンも普段の生活での利用においては、過度に心配する必要はありません。チタンはアレルギーを起こしにくく、インプラントにも適しています。現在のチタンフライパンは、規制された有害物質を含んでおらず安全です。酸化チタンのリスク評価はありますが、主に工場などで粉じんを吸入する状況に関連します。

毎日使うものや体に入れるものだからこそ、素材の安全性は気になりますよね?

この記事を読むことで、チタンと酸化チタンの性質や安全性に関する正しい知識が身につき、製品選びや日々の利用で安心して判断できるようになります。

チタンや酸化チタンへの疑問や不安を解消したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事の監修者

藤原 弘一

1986年(有)藤原鉄工所(現フラスコ)入社、1992年代表取締役就任。
時代のニーズに適合した最新鋭設備と長年蓄積した職人技的加工技術を融合させ、顧客の信頼を築いた会社。

保有資格:司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者、2級小型船舶、4級無線技士

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そもそもチタンとは?

そもそもチタンとは?

チタンは、軽くて丈夫、そして錆びにくいという優れた性質をもつ金属元素です。元素記号はTi、原子番号は22で、銀灰色の見た目をしています。ギリシャ神話の巨人「タイタン」にちなんで名付けられました。

チタンの主な特徴は以下のとおりです。

  • 軽い(鉄の約60%、銅の約半分の重さ)
  • 強い(鋼鉄に匹敵する強度)
  • 錆びにくい(海水や多くの薬品に耐える)
  • 熱に強い
  • 人体に優しい(金属アレルギーが起こりにくい)

これらの優れた特性から、チタンは様々な分野で利用されています。

例えば、航空機のエンジン部品や機体構造材、化学プラントの装置、人工関節やデンタルインプラントといった医療分野、眼鏡のフレームや腕時計、ゴルフクラブなどの日用品まで、その用途は多岐にわたります。

先ほど説明した酸化チタンは、チタンが酸素と結びついた化合物です。このように、チタンは私たちの身の回りで活躍する、高い性能をもつ金属といえます。

関連記事:【9割が知らない】チタンとステンレスの違い|メンテナンス方法も紹介

インプラントに使われる「チタン」の安全性

インプラントに使われる「チタン」の安全性

チタンは、私たちの身体と非常に相性の良い金属です。そのため、チタンが原因で金属アレルギーを起こす心配は、ほとんどありません。

例えば、銀歯でアレルギーが出た経験のある方でも、チタンインプラントなら問題ないことが多いでしょう。チタン製の人工歯根を使うインプラント手術ですから、過度に不安を感じる必要はないのです。

チタンフライパンは安全なのか?

チタンフライパンは安全なのか?

「チタンフライパンは有害?」と心配する声がありますが、実際はどうなのでしょうか。結論としては、現在流通している製品は安全と考えて問題ありません。

有害だと考えられた背景には、過去に使われていたコーティング剤「PFOA」「PFOS」の問題があります。これらは有機フッ素化合物(PFAS)の一種で、かつて多用された物質でした。

しかし、発がん性などの健康リスクが判明したのです。そのため、国際的に規制されました。

PFOSは2009年、PFOAは2019年に廃絶対象となり、日本では2021年までに製造・輸入が禁止されています。したがって、現在市販されているチタンフライパン(フッ素加工品含む)には、これらの有害物質は含まれていません。安心してお使いいただくことができます。

酸化チタンの人体への影響

酸化チタンの人体への影響

酸化チタンは、食品添加物や化粧品などに広く使われる身近な物質です。

しかし、その安全性、特に発がん性について懸念の声もあります。国際的な評価機関の見解や、使用形態によるリスクの違いを理解しておくことが求められます。通常の使用では過度に心配する必要はないと考えられますが、吸入などの特定の状況には注意が必要です。

関連記事:チタンの種類|メリット・デメリットや使用用途を詳しく解説

酸化チタンの発がん性リスク評価について

結論として、酸化チタンは特定の条件下で発がん性の可能性が指摘されています。

国際がん研究機関(IARC)は、酸化チタンを「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」(グループ2B)と分類しました。

この評価は、主に動物実験において高濃度の酸化チタン粉じんを吸入した場合に、肺がんのリスクが高まるという結果に基づいています。

例えば、工場などで酸化チタンの粉じんを長期間吸い込むような職業的な曝露が、リスク要因として考えられます。食品添加物としての利用も、遺伝毒性の懸念から欧州など一部地域で使用禁止の動きがあります。

したがって、酸化チタンの発がん性リスクはゼロではありませんが、主に吸入による曝露に関連するものと現時点では評価されています。

化粧品や日焼け止めでの皮膚への影響

結論として、化粧品や日焼け止めに含まれる酸化チタンは、皮膚への塗布による健康リスクは低いと考えられます。

一般的な使用において、酸化チタンの粒子は皮膚のバリア機能を通過して体内に吸収されることはほとんどないためです。多くの研究で、健康な皮膚への塗布では、酸化チタンが角質層よりも深く浸透しないことが示されています。

例えば、毎日使う日焼け止めやファンデーションにも、紫外線をカットする目的で酸化チタンが配合されている場合があります。これらは皮膚の表面で効果を発揮するもので、体内への吸収は極めて限定的です。

そのため、通常の化粧品や日焼け止めを皮膚に塗る範囲では、酸化チタンによる全身的な健康への影響を過度に心配する必要はないでしょう。

粉じん吸入による健康への懸念

結論として、酸化チタンの粉じんを吸入することは、健康へのリスクを高める可能性があります。

特にナノ粒子のような微細な酸化チタンは、呼吸によって肺の奥深くまで到達しやすい性質を持ちます。肺に到達した粒子が炎症を引き起こしたり、長期間の曝露によって肺の組織に影響を与えたりする可能性が指摘されています。

例えば、酸化チタンの製造工場や、粉末状の酸化チタンを扱う塗装作業などの現場では、作業者は粉じんを吸入しないよう、適切な保護具の着用や換気設備の整備が求められます。一般の生活者がこのような高濃度の粉じんに曝される機会は少ないです。

以上のことから、酸化チタンのリスクは、どのような形で接触するかによって異なります。粉じんの吸入は避けるべき状況といえます。

参照:厚生労働省「酸化チタン (Ⅳ)の健康障害防止措置 について」

まとめ

チタンと酸化チタンについて、この記事のポイントをまとめます。

1.チタンの優れた性質と幅広い用途: チタンは「軽量」「高強度」「耐食性」「生体適合性」を兼ね備えた金属です。航空機部品、化学プラント、医療用インプラント、眼鏡フレームやフライパンなど、多岐にわたる分野で活用されています。

2.インプラントにおける高い安全性: チタンは体内でアレルギー反応を起こしにくいため、人工歯根(インプラント)の材料として非常に安全性が高く、広く用いられています。

3.現在のチタンフライパンの安全性: 過去にフッ素加工で使われたPFOA/PFOSは現在規制されており、市販のチタンフライパン(フッ素加工品含む)はこれらの有害物質を含まないため、安全に使用できます。

4.酸化チタンの発がん性リスク評価: 国際がん研究機関(IARC)は酸化チタンを「発がん性の可能性あり」と分類していますが、これは主に高濃度の粉じんを長期間吸入した場合の肺がんリスクに基づいています。

5.酸化チタンの安全な利用: 化粧品に含まれる酸化チタンは皮膚からの吸収が少なく、通常の塗布ではリスクは低いとされます。ただし、粉じんの吸入は健康リスクを高める可能性があるため避けるべきです。

チタンや酸化チタンを含む製品を利用する際は、その特性や安全性に関する正しい情報を理解し、用途に応じて適切に判断することが重要です。

この記事が、チタンおよび酸化チタンへの理解を深めるきっかけとなれば幸いです。

株式会社フラスコでは、昭和48年の創業依頼、一般産業用機械部品の設計・製作・組立をはじめ、チタンやタングステン、ジルコニウムなどの金属加工を行なってきました。

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