手作りの道具 hand made tool 1
古い工場の引出しを整理していたら キサゲ加工をするスクレーパーが出て来ました。
先代が若いころに(60年前くらい)に手作り(刃はもちろん、木の柄の部分や環も)全て手作りしたものでしょう。
昔は 既製品の道具もなく あったとしても非常に高価なので 職人さんは自分に合う様にいろいろ手作りしていました。
キサゲ作業は英語でHand Scrapingと呼ばれ、キサゲという一枚刃の工具を使用して、
押すまたは引っ掻くことで金属表面をわずかに削り取る手作業の仕上げ技術です。
最終的に高い精度の面(平面、直角面、V面、円筒内面など)を得ることが出来ます。
なれたキサゲ職人さんだと 実際機械で加工するよりも 素晴らしい精度でキサゲをかけられますが
今では 非常に数少ない人材となっています。


刃先は鑿のように尖っておらず むしろ少しネガ角になっています。
相手が金属(焼の入った鋳物が多い)ですので 腰を入れてスピーディーに
何万回、何十万回と繰り返す大変な仕事です。

シンプルな道具だけに 焼き入れ,刃のとぎ様で大きな差が付きます。
工作機械メーカーなどは 熟練工が在職の間に 何とか若い人に受け継がせようとしているようです。


写真では凸凹に荒く見えますが 実際は数ミクロンの段差もありません。
社内には まだまだ先代や退職した 職人さんが手作りしたものが数多く残っていますので
また紹介していきたいと思います。